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2013年5月28日(火)

いっしょに選挙に行ける 名児耶さん親子喜び

被後見人に選挙権

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 衆院全会派の共同で出された改正公職選挙法が27日、参院本会議で全会一致の賛成で成立しました。成年被後見人の選挙権が回復され、すべての被後見人は7月の参院選で投票できるようになります。


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(写真)公選法改正案成立を見届けるため国会を訪れ、井上さとし参院議員(右)と握手する名児耶匠さんと父・清吉さん(その右)、母・佳子さん(同左)=27日、国会前

 「選挙権を与えられるのは当たり前のことだ」。法改正のきっかけをつくった名児耶(なごや)清吉さん(81)=茨城県牛久市=は、こう強調します。

「基本的な人権」

 長女の匠(たくみ)さん(50)は、成年後見人をつけると選挙権を失うという公選法の規定は憲法違反だとして、選挙権の回復を国に求めて2011年2月、東京地裁に提訴しました。匠さんは「お父さん、お母さんとまた選挙に行きたいです」と訴えていました。

 清吉さんは「参政権は基本的な人権。選挙を行使する能力とは無関係な成年後見制度を流用して剥奪されるなんて、とんでもない話だ」と強調。「提訴に立ち上がったとき、匠だけではなく、13万6000もの人たちの不当に奪われた権利を取り戻すつもりだった」と振り返ります。

 東京地裁(定塚誠裁判長)は今年3月14日、公選法の規定は「違憲で無効」とし、匠さんの選挙権を認める判決を出しました。

 これに対し国は控訴する一方、総務省は、被後見人の判断能力に応じて個別に選挙権を認めることなどを検討していました。

 日本共産党の井上さとし参院議員は4月、倫理選挙特別委員会で、清吉さんの「私にはもう時間がない。娘との約束を果たせなくなる」との怒りの声を紹介。「権利をまず回復すべきだ」として参院選に間に合う法改正を要求しました。

井上議員ら尽力

 清吉さんは「公選法改正の動きが急に加速したのは、井上議員をはじめ国会議員が尽力したから。感謝している」と強調します。

 「『愚公、山を移す』ですね」と笑う清吉さん。「どんなに他の人からはばかげているようにみえても、一生懸命やればいつかは成せる」

 27日、本会議の傍聴に訪れた匠さんや清吉さんらに対し、井上議員は「きょうの委員会で、判決後の集会で『選挙に行く』と話した匠さんの笑顔にこたえることができた喜びを表明しました」と話し、激励しました。

 清吉さんは国に対し「時間と税金の無駄遣いだ」として控訴の取り下げを求めています。

 日本共産党は1999年の成年後見制度導入の審議時から「財産保護のための成年後見制度と国民の基本的権利である選挙権は全く関係ない。国民に対して選挙権を剥奪する理由はない」(木島日出夫衆院議員、当時)と問題点を指摘してきました。

 (岩井亜紀)


投票所のバリアフリーを

 井上さとし参院議員の話 2年前に名児耶匠さんが提訴される記事を見て質問して以来、支援してきました。選挙権は議会制民主主義の根幹。選ばれる側の国会議員が「あなたに選ぶ権利はない」として奪うことなどあってはならないことです。超党派の法改正で、参院選挙で投票できるようになり本当に良かった。さらに投票所のバリアフリーなど進めたい。


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