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2013年5月12日(日)

きょうの潮流

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 死者・行方不明約8万7000人。東日本大震災の4倍以上の犠牲を出した中国四川省大震災からきょうで5年がたちます▼筆者も当時、現場に入り、倒壊した街を取材に走り回りました。1年後に再訪して驚きました。山深い被災地でがれきが片付き、鉄筋コンクリート造りの真新しい住宅が立ち並んでいました▼雇用の確保はまだ困難だったものの、住宅に関する限り、急ピッチで建設が進んでいました。中国流は中央政府による割当制です。広東省には汶川(ぶんせん)県、山東省には北川(ほくせん)チャン族自治県というように経済力のある地方政府に一つずつ被災地の復興を3年計画で受け持たせました▼もちろん中国と日本では社会制度が違います。内陸での地震と津波被害との違いはあります。しかし、東日本大震災の被災地ではいまだに住宅再建にほとんど手がつきません。津波で流された家の土台がむき出しになっているのを見ると、先進工業国であるはずの日本でなぜとの思いがこみ上げてきます▼筆者が取材した四川省の再建住宅は国が被災者に無償で提供したものでした。被災者の多くは貧しい農民です。自力に委ねていたら永久に家を持てなかったでしょう▼日本政府は、「個人財産の形成になる」との理由で住宅や商店、工場などの再建を支援しないことを原則にしています。震災2年を機に行った本紙の被災者調査では82%が住宅再建の展望がないと答えています。被災者の立場に立った支援をしないと住宅再建はいつまでも進みません。


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