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2013年4月14日(日)

東京・臨海副都心

進出予定4社 相次いで撤退

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 東京・臨海副都心への進出を決めた企業4社が相次いで撤退していたことが13日、本紙の取材で明らかになりました。都は進出決定の際は発表をしていましたが、撤退については発表も都議会への報告もしていませんでした。


33億円を放棄

写真

(写真)「進出事業者募集中」の臨海副都心有明南G1区画=8日、東京都江東区

 撤退したのはアセット・マネジャーズ(有明南G1区画)、東京建物(青海R区画)、森ビル(同P区画)、プロパスト(同F1―S区画)の4社。いずれもオフィス・商業ビルを建設する計画で、2007年〜08年にかけて都と予約契約を結びました。しかし、4社は08年12月〜12年4月に相次いで契約を解除。都に支払った予約保証金計約33億円を放棄していました。(表)

 港湾局臨海開発部は「08年9月のリーマン・ショックを契機に経済情勢が変わり、計画通りに事業を行うのは難しいというのが辞退の理由だった」と説明しています。

 都は1990年から臨海副都心の企業誘致を行っていますが、有償処分予定面積163ヘクタールのうち、処分が確定しているのは113ヘクタール(69・3%)どまり。残る50ヘクタール(30・7%)は塩漬け状態です。

 開発に携わってきた都OBは「都心の再開発がすすみ、交通の便の悪い臨海副都心は、オフィスビルの需要が低い。企業誘致計画はもともと無理だった」と語りました。

計画は全面見直しを

 日本共産党の清水ひで子都議の話 進出企業の相次ぐ撤退は、石原前都政が策定した土地処分計画の行き詰まりを示すものです。企業誘致の不振をカバーするため、都は臨海副都心に外国企業や国際会議施設などを呼び込み、国際観光の一大拠点として開発を誘導するため、さらなる税金投入をしようとしています。

 東京都は都民、議会に正確な最新の資料・情報を提供し、都民参加で全面的に見直すべきです。


 

臨海副都心 東京駅から約6キロ離れた東京港埋め立て地(442ヘクタール)に、財界の要求にこたえて国際ビジネスセンターをつくる、総事業費8兆円の「民活」プロジェクト。自民党、公明党、民主党などが開発を推進し、日本共産党は一貫して反対しています。


解説

毎日888万円利息返済 都会計に重荷

 東京都の臨海地域開発会計は現在、毎日888万円の利息返済に追われています。企業の相次ぐ撤退は、臨海会計のさらなる重荷になることは必至です。

 臨海会計は借金(起債)の残高が2352億8000万円にのぼります。そのため、13〜20年度までの8年間に、利息を含め2464億5900万円の返済が迫られています。

 都は4年連続で土地売却価格を値下げし、仲介業者に支払う成功報酬を引き上げ、進出企業への助成制度までつくるなど企業誘致に取り組んでいます。

 しかし、12年度の土地売却収入見込みは187億円程度で、予定していた597億円の約3割にすぎません。13年度は都立特別支援学校の誘致などで65億円の収入を見込んでいますが、巨額の借金財政のもとでは“焼け石に水”です。

 1480億円の起債償還が必要な14年度には、返済資金が不足し資金ショートの可能性も生じています。

 臨海副都心開発をめぐっては、これまでも事業会計、第三セクター5社が破綻し、その都度、都財政の追加投入をしてきました。無謀な大企業呼び込み型の開発計画を推進してきた都と都議会自民、公明、民主各党の責任が厳しく問われます。

 (岡部裕三)

表・地図

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