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2013年4月7日(日)

廃棄物の仮置き場

桑折町 用地100%確保

福島

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 東京電力福島原発事故から2年余。福島県内の除染が思うように進まないなか、県北地方の桑折(こおり)町では除染作業をすすめるうえでカギとなる、放射能汚染廃棄物の仮置き場の用地を100%確保することができました。住民合意を貫いた結果で、同町は今年度中に全戸除染を終えたいとしています。(福島県・野崎勇雄)


住民合意貫く 今年度中に全戸除染

地図

 桑折町は、事故を起こした福島第1原発から北西約65キロにあり、重点調査地域の指定を受け、住宅地全域が除染対象になっています。確保することができた仮置き場の用地は34カ所。2012、13年度の2年間で約3800戸全戸の除染をめざし、本格的には今年度からです。

 高橋宣博町長は「放射能対策の正念場です。今年度中の達成という目標を貫徹したい」と力を込めます。

町内会と共同

 同町は11年10月、除染計画を策定し、仮置き場用地の確保に動きだしました。しかし、約半年後の12年3月時点では2カ所しか確保できませんでした。そのため町議会の提案を受けて従来の方針を転換し、町内会と共同の取り組みも推進することにしました。

 町内会の一つ、JR桑折駅の北西側にある桐ケ窪町内会では―。

 3月末で任期を終えた土屋勲前会長は取り組みのいきさつをこう語ります。「安心して暮らせるよう早く除染してほしいというのが町民の願いです。町の努力だけで進まないなら、自分たちの住む場所のことは自分たちでなんとかするしかない。町の除染マニュアルや環境省のガイドラインなどを読んで勉強し、仮置き場の安全対策などに納得しました」

 町内会の区域に古くから続く地域振興組織の「桐組」(現組長、斎藤松夫・日本共産党町議)から、「組所有の土地を仮置き場として提供したい」という申し出があったことも背中を押しました。

 同年4月に、町内会、桐組、農事組合、婦人会、子ども会育成会などに出席要請し、「仮置き場用地確保のための相談会」を開催。臨時総会を4回、総会で設置を決めた「仮置き場確保のための検討委員会」を3回開催するなど、徹底した論議を尽くしました。臨時総会に提案された候補地に反対した人が検討委員を引き受けるということもありました。同年8月2日の臨時総会で、候補地を全会一致で決定しました。

共産党が提案

 一方、町全体の状況は、仮置き場の用地確保に時間がかかった上、人手不足などから遅れていました。こうしたなかで共産党町議団(斎藤、岩崎久男両町議)が昨年11月の臨時議会で、仮置き場が決まったところは住宅除染を実施するという方式への転換を提案。前進への転機になりました。

 現在、除染中の桐ケ窪町内会では仮置き場の工事の発注が終わり、工事の準備中です。土屋前町内会長は「町内会も取り組むことで町民の理解が進むようになりました。同時にこういう事態を引き起こしたのに、後始末は住民や自治体に押しつける東電と国への怒りは残る」と語っています。


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