2013年1月18日(金)
難病対策改革の提言素案
「患者負担増えるだけ」
厚労省対策委 傍聴者が批判
厚生労働省の難病対策委員会(委員長・金澤一郎国際医療福祉大学大学院院長)は17日、同省が提示した難病対策の改革に関する提言の素案について議論しました。
難病対策の改革は、(1)効果的な治療方法の開発と医療の質の向上(2)公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築(3)国民の理解の促進と社会参加のための施策の充実―を柱とするとしました。
新たな研究分野の枠組みが示されると同時に、難病患者データの精度向上と有効活用などを名目に、一元的にデータ管理をするとしました。
対象患者は、対象疾患にり患している人で、重症度が一定程度以上等であり、日常生活または社会生活に支障がある人に限定。対象疾患については、定期的に見直すとしました。患者の自己負担増が示されました。
「難病患者の社会参加を支援するため」として難病手帳(カード)として、医療受給者証(仮称)に本人証明機能をつけることとしました。軽症になり、医療費助成の対象外となった人には再度、症状が悪化した場合の円滑な手続きのためとして、「登録者証(仮称)」を交付するとしました。
傍聴した難病患者からは「患者の負担だけが増える」「障害福祉の対象が増えるという期待があったが、まったく拡大されていない」などの批判の声が上がりました。
作家で難病患者の大野更紗さんは取材に応じて、「『制度の谷間』からさらに『谷間』をつくることになり、対象から外れる患者は、再び失望してしまう。病気の状態をみて必要な支援をすべきだ。患者が声を上げないといけない」と話しました。