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2012年12月12日(水)

きょうの潮流

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 地道な研究が華やかな舞台につながりました。ノーベル賞の授賞式と晩さん会にのぞんだ山中伸弥さん。「夢かまことかわからないようなふわふわした不思議な感じ」といいながら、脚光を浴びたこの1週間、自然体の振る舞いが好ましい▼すぐに科学者の顔にもどると、「これからはノーベル賞も私にとっては過去形になる。これからの研究が大事なので一生懸命やっていきたい」。iPS細胞の実用化を心待ちにする患者に思いをはせました▼山中さんたちは世界で初めて、体のさまざまな組織や臓器になるiPS細胞をつくり出すことに成功。式典でも、病気の新たな治療法を開発するために計り知れない価値のある方法を世界に提供した、と紹介されました▼ところが、実用化に向けた動きで日本は後れをとっています。必要となる大量の細胞をつくるため、巨費を投じて研究機関や企業を活用する欧米。一方、国の支援は乏しく産業基盤も弱い日本。米国の再生医療全体にかける研究費は日本より1桁多いといわれます▼劣悪な条件、無駄や失敗が許されない環境、不安定な雇用…。これでは、ほんらい自由で、自主的であるはずの基礎研究は衰退するばかりです▼山中さんは若い研究者たちにメッセージを送ります。「予想と違う実験結果がiPS細胞につながり、この場に来ることができた。予想外の結果は失敗ではなくチャンスだ」。画期的な発見や科学技術の進歩は人類の発展に貢献してきました。その根を枯らしてはいけません。


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