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2012年12月11日(火)

カギは働く人の所得を増やすこと――抜本的な政策転換を求める

神戸・大阪 志位委員長の演説から

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 日本共産党の志位和夫委員長が9日に神戸、大阪両市で訴えたデフレ不況の解決策「カギは働く人の所得を増やすこと―抜本的な政策転換を求める」の内容を紹介します。


写真

(写真)訴える志位和夫委員長=9日、大阪・難波

デフレ不況の最大の原因――働く人の賃金が下がり続けていること

 デフレ不況からどう抜け出すかは、多くの国民のみなさんの切実な関心事だと思います。

 いまのデフレ不況が、どうしてこんなに深刻になっているのか。その最大の原因は、働く人の賃金が、下がりつづけていることにあります。1997年をピークにして、1世帯平均で102万円も下がっている。この間の「景気が良い」といわれた時期にも、賃金は下がっていますし、「景気が悪い」といわれた時期には、さらにひどい下がり方をしています。

 ですから、デフレ不況から抜け出すためには、働く人の所得を増やす政策へと抜本的に転換する――ここに最大のカギがあるということを、訴えたいのであります。(拍手)

 (志位氏は、そのうえで、「日本共産党は二つの提案をおこなっています」として、まず第一に、「消費税大増税の中止」を提案。公約を破って増税法案を強行した民自公「増税連合」に「退場」の審判をよびかけるとともに、「消費税に頼らない別の道」を責任をもって提案している日本共産党を躍進させることこそ、増税阻止の一番の力になることを訴えました。そのうえで、志位氏は、つぎのように続けました)

 第二は、働く人の所得を増やす政策へと、抜本的な転換をはかることであります。

 これは、働く人の暮らし、国民の暮らしを良くするだけでなく、今後の日本の経済、日本の産業の復活ということを考えても、たいへん重要な問題になっています。

目先の利益最優先でリストラ競争に走れば、経済も産業もだめにする

 いま、多くの大企業が、「業績悪化」を理由に、ごく目先の利益をあげることだけを最優先にして、リストラ競争をやっています。賃下げをすすめ、首切り・人減らしをすすめ、正社員を非正規社員におきかえる、リストラ競争です。

 こういうやり方は、一つの会社だけを見れば、目先の利益はあがることになるでしょう。しかし、全体がそれを競い合ってやったらどうなるでしょう。大企業のみんなが、賃下げ競争、首切り競争をやったら、社会全体の需要がいよいよ冷え込み、景気がいよいよ悪くなり、結局そういうことをやったら、大企業もモノが売れなくなってしまうでしょう。大企業の経営も立ち行かなくなる。大企業にとっても先がない、自分で自分の首をしめているという、自縄自縛におちいっているのが現状ではないでしょうか。(拍手)

 いま電機産業の大企業では、「業績悪化」を理由にして、13万人もの首切りがすすめられています。無法なやり方で労働者に退職を強要しています。電機産業といったら、液晶パネルや液晶テレビは、もともとは日本で開発したものです。ところが、いまではほとんど日本では作れなくなっているでしょう。日本の半導体は、かつて世界のシェアの5割を占めていました。ところが、いまでは2割まで落ち込んでしまっている。どうして、日本の電機産業が、こんなに衰退してしまったのでしょうか。それは、働く人を大事にしてこなかったからではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。ごく目先の利益、短期の利益、株主への配当を最優先させて、技術者を含めてどんどん人減らしをすすめてきた。そのために、新しい製品をつくる力、競争力をどんどん失う結果になっているのです。

 目先の利益最優先で、人減らし競争をすれば、日本の経済も、産業もダメにしてしまう。それは大企業自身の首をみずからしめる結果ともなっているではないですか。「競争力」というけれど、みずから競争力を失う結果となっているではないですか。(拍手)

政治の出番――大企業に社会的責任を果たさせるルールをつくろう

 だったらみなさん、政治の出番ではないですか(「そうだ」の声、拍手)。政治が、大企業のこのような身勝手な姿勢を本腰を入れてただして、働く人の所得を増やす政策を、本腰を入れて実行していくことが大切ではないでしょうか。(拍手)

 みなさん。電機産業の13万人の首切りをはじめ、大企業による、身勝手で違法な首切りを、政治の責任でやめさせていこうではありませんか。(拍手)

 非正規で働いている方が、民主党政権時代にも増え続けています。未来が見えない、不安な仕事を強いられています。今度こそ、労働者派遣法を抜本的に改正し、均等待遇のルールをつくって、正社員として安心して働ける日本を、つくっていこうではありませんか。(拍手)

 最低賃金が低すぎます。全国平均で時給749円。これではフルタイムで働いても、年収150万円にも達しません。「維新の会」のいっているような最低賃金を実質的に廃止するなど、まったく論外の話であります(拍手)。中小企業への手当てをしっかりとりながら、時給1000円以上へと、大幅に引き上げて、「働く貧困層」と言われる方々をなくしていこうではありませんか。(大きな拍手)

 大企業による、下請けいじめはひどい状況です。単価の買いたたき、一方的な発注中止、こういうやり方をやめさせて、大企業と中小企業が、公正に商売ができるルールを、独占禁止法を強化するなどしてつくっていこうではありませんか。(拍手)

 みなさん。大企業は、大不況のもとでも、内部留保――ため込み金をさらに積み上げ、260兆円も抱えています。私たちは、それを「全部使え」といっているわけではありません。その一部を還元しただけで、いまいったことは実行できるのです。260兆円のお金が動きだして、みなさんの所得を増やし、内需を活発にし、日本経済をまともにする道が開かれてくるのです。(拍手)

 みなさん。日本共産党は、もちろん、大企業をつぶそうなんて考えているのではありません。大企業の経営がどうなっても知らないという姿勢でも、もちろんありません。

 大企業に、力相応の社会的責任を果たしてもらう。雇用への責任、中小企業への責任、税金や社会保険料を払う責任――これらを果たしてもらう。そのために政治の責任で、大企業の横暴を抑える、「ルールある経済社会」をつくっていこう。そうしてこそ、働く人の暮らしがよくなるだけでなく、日本経済も、日本の産業も、未来が開けてきます。企業の経営にとっても、まともな発展の道が開けてきます。これが、日本共産党の経済改革の提案なのであります。(大きな拍手)

 みなさん、こういうことがいえるのは、日本共産党が、財界献金をびた一文もらわない政党だからであります。この党を伸ばしてこそ、この大不況から抜け出し、国民の暮らしを良くし、日本の経済と産業をまともな方向に立て直すことができます。どうか、日本共産党の議席を倍増させていただいて、この仕事を私たちにやらせてください。よろしくお願いします。(歓声、大きな拍手)


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