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2012年9月1日(土)

きょうの潮流

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 「昨日だれも知らなかった/地震が来た/今日だれも知らない/明日何が来るだろう/人間よ 人間よ」。1923年9月1日の関東大震災を詠んだ堀口大学の詩です▼人知をこえる自然の脅威への、いい知れぬ不安が読みとれます。死者・不明者10万5385人。全壊および半壊の家屋21万棟以上。焼けて失われた家屋は21万2千棟を超えます。熱海に12メートル、千葉県の相浜に9メートルの津波が襲いました▼伊豆と房総の間の相模湾トラフで起きた大地震。関東南部は、四つのプレート(岩板)がいりくみ、地震が多発します。しかし当時、人々が「プレートがぶつかりあい地震が起きる」と知るはずもありません。堀口大学の詩は、自然に対する無力感の大きさを伝えます▼いま私たちは、決して無力ではありません。しかし、自然をあなどり防災を怠れば、どうなるか。東日本大震災にともなう原発事故が、もっともいまわしい形で教えます▼最大32万人―。伊豆の西から九州沖へ延びる南海トラフで起きる、マグニチュード9ぐらいの巨大地震を想定して推し計った死者数です。どうやって、犠牲者をとことん減らすか。関東大震災のさいに秋田雨雀が詠んだ、首都・東京に「死の都よ!」とよびかける詩が考えさせます▼「お前は、とうから焼かれる運命を持っていた、…お前自身の懐の中に」。詩を警告と受け止めましょう。天災を人災に変える「運命」を抱え込まないよう、災害につよい街づくり・国土づくり・人づくりに励まなくては…、と。


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