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2012年8月4日(土)

アナン特使 退任へ

今月末 シリア調停失敗

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 【ワシントン=小林俊哉】潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は2日、内戦状態となっているシリア問題のアナン国連・アラブ連盟特使(前国連事務総長)が今月末で退任すると発表しました。政府軍と反政府武装勢力との戦闘が激化し、調停失敗が明確化する中での退任です。


「国際社会の不団結で悪化」

 同特使は今年2月に任命され、アサド政権と反政府武装勢力との停戦や政治対話促進などからなる6項目の調停案を提唱し、双方に履行を求め続けてきました。潘氏はアラブ連盟諸国などと後任の人選を協議しています。

 潘氏は同日、アナン特使が、今月末で切れる任期を更新しない意向を伝えてきたと表明。「特使の断固とした勇気ある努力に感謝したい」と述べました。

 シリア情勢は17カ月以上に及ぶ政府派・反政府派の衝突で、市民を中心にすでに死者が1万人を超えていると指摘されます。最近では、内戦状態に陥っており、首都ダマスカスや人口が多いアレッポで戦闘が激化していると伝えられます。

 一方、国連安保理では、欧米が提案したアサド政権への制裁決議案がロシア、中国の拒否権で廃案となるなど、国際社会の足並みはそろっていません。

 アナン氏は同日、ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、シリア国内で暴力の激化と国際社会の不団結が「事態を根本的に変えた」と指摘。「流血は続いているが、それはシリア政府の頑固な姿勢と調停案への拒否、同時に反政府派による軍事行動の激化によるもので、これが国際社会の不一致によって悪化した」と調停の行き詰まりを認めました。

 同時に、「シリア国民が行動を求めているときに、安保理では責任のなすりつけあいが続いている」とも述べ、懸念を表明しました。


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