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2012年6月27日(水)

新自由主義路線 もうたくさん

メキシコ 大統領選揺るがす学生

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 大統領選挙(7月1日投票)が目前に迫るメキシコで、新自由主義的路線を継承する有力候補を批判し、それに肩入れする大手メディアの民主化を求める運動が、全国180以上の大学に広がっています。 (メキシコ市=松島良尚)


ツイッターで広がる運動=「私は132番目」

 「国民は生活している。新自由主義はもうたくさんだ」。23日、旧市街の憲法広場で学生らが開いたフェスティバルで設けられた、大きな紙の上に自分の要求や不満を書く「集団の声の壁画」コーナーには、こんな言葉が躍りました。保守政党の名前が書かれたテレビを投票箱にする風刺絵もありました。

 主催したのは「私は132番目」という団体です。

 野党第1党の制度的革命党(PRI)のペニャ・ニエト大統領候補が選挙キャンペーンで5月初旬に、私立の名門イベロアメリカ大学を訪問したときのこと。与党時代に新自由主義的政策を導入したPRIの候補者の訪問に、学生らは「新自由主義の候補は帰れ」と猛反発しました。

 その直後、学生らは自分たちがやったことを示すため、一人ひとりが身分証を掲げたビデオを撮影。131人いました。これを見て、「私もやりたい。132番目だ」というメッセージがツイッターなどで続々と寄せられ、それが、団体の名前になっています。

 学生らは、民間大手テレビ局も批判。PRI候補の宣伝を人気番組の前後に集中させ、通常番組の中で他党候補への攻撃的な発言を頻繁に流しているからです。メディアの民主化、PRIに反対、新自由主義に反対―この三つを「132」の目標に掲げています。

 メキシコ国立自治大学のガリシアさんは、「教育や労働条件など学生には多くの要求がある。それを妨げているのが新自由主義だと思う」といいます。「リーダーや幹部のいない水平的な運動だから参加しやすい。それにツイッターやフェイスブックがあるからね」という学生もいます。

 最近の世論調査によると、PRI候補が40%前後の支持率で依然トップに立っていますが、主要候補のうち唯一、新自由主義を批判する民主革命党(PRD)のロペス・オブラドール候補が与党候補を抜いて2位。支持率は30%に迫っており、PRI候補との差を縮めています。

 世論調査のこうした推移のおもな要因にあげられているのが「132」の運動です。いまやあらゆる年齢層に広がり、「132」の記事が新聞に登場しない日はありません。

 といっても、「132」がPRD候補を直接支援しているわけではありません。同党幹部も、組織的な関係はないと明言。「PRD支持者が多いのはうれしいが、この運動がどうなっていくのか、われわれはどういう関係を築いていくべきなのか、なにもかもこれからだ」と述べていました。

 23日のフェスティバルには、7万人が参加。学生らは24日も、市中心部のレフォルマ大通りをデモ行進しました。


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