2012年4月5日(木)
ASEAN首脳会議閉幕
11月に新会合開催へ
国連など参加 国際課題を討議
【プノンペン=面川誠】今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国、カンボジアの首都プノンペンで3日から開かれていた第20回ASEAN首脳会議は4日、国連事務総長などを招いた「ASEANグローバル対話」会合を11月に同地で開くとする議長声明を発表して閉幕しました。
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南シナ海問題で溝も
グローバル対話は「世界が直面する諸課題を討議する」ために、東アジア首脳会議の際に開く予定。国連、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)、ASEAN10カ国首脳、世界貿易機関(WTO)、国連貿易開発会議(UNCTAD)の各トップ、米国、ロシア、インド、日本、韓国、オーストラリアの各国首脳の参加を見込んでいます。
ASEANは昨年5月の首脳会議共同声明で、2022年までに共通政策綱領を策定することを目標に、国際社会でのASEANの役割を強化することに合意していました。
一方、ASEAN加盟国のフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイと中国が領有権を争う南シナ海問題では、行動宣言(DOC)を格上げする法的拘束力のある行動規範(COC)締結をめぐり、意見の違いも明らかになりました。
ASEANは現在、COCに盛り込む「主要な要素」について協議を進行中。カンボジアは、「主要な要素」に合意し次第、COCの草案起草をASEANと中国が共同で進めるべきだと主張しました。
これに対してフィリピンなどが、草案起草段階から中国を入れればASEAN内部で足並みの乱れが生じかねないと反対。ASEAN独自の草案を起草して共通の立場を固めた上で、中国との交渉に臨むべきだとの立場を崩さず、合意には至りませんでした。
カンボジアのフン・セン首相は閉幕後の記者会見で、「ASEANは中国との争いを準備しているのではない。すべての首脳はASEAN・中国戦略的パートナーシップの発展による互恵関係を望んでいる」と強調。“カンボジアが中国の圧力で中国寄りの姿勢を取っている”との報道が相次いだことに対して、「ばかげた見方だ。カンボジアは責任ある議長国としての役割遂行に専念している」と反論しました。