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2012年3月16日(金)

きょうの潮流

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 「テレスクリーン」は、双方向じかけです。情報をテレビのように受信でき、こちらから発信もできます▼ただし、自分の考えで伝える発信ではありません。装置がこちらのようすを写し撮り、音声ともども勝手に送信するのです。テレスクリーンは、イギリスの作家オーウェルの63年前の小説『1984年』にでてきます▼テレスクリーンの前で政府の発表が信じられないような顔をすれば、「表情罪」に問われます。聞き取れないささやき以外は、盗聴されます。なにしろ、送信先は思想警察ですから。監視される小説の主人公は、政府の役人です▼大阪の府立高校の卒業式で、校長が教職員の口元を監視していました。本当に「君が代」を歌っているのか。口が動いていないとみなした3人を、校長室によびだしました。校長は、橋下大阪市長の友人です。橋下氏は、「そこまでやっていない方がおかしい」と、校長をたたえています▼勝手に先回りすれば、次は口を動かせるが声は出さない“口パク”の監視でしょうか。あるいは、いやいや歌う人の表情の監視でしょうか。職員の思想・良心の自由を侵すアンケート調査でもあきたりないようすの橋下氏と仲間たちに、テレスクリーンはいかが?▼橋下氏は、命令に従わないなら“辞めさせる”と脅します。『1984年』が描く独裁国の標語の一つが、「自由は屈従である」。なるほど大阪でも、屈せず良心の自由を守れば罰せられ、屈従すれば監視下の“自由”がある、というわけです。


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