「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年2月15日(水)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 昨年の初秋の一日、富士のすそ野の青木ケ原樹海を歩きました。“自殺の名所”の異名をとる青木ケ原には、遊歩道も通っています▼富士五湖の一つ、精進湖のほとりを出発し、東の富岳風穴へ。足を踏み入れたとたん、暗く静まり返り、不気味さは否めません。東京の山手線内とほぼ同じ広さの青木ケ原は、865年前後の溶岩流でできました。三陸に巨大津波をもたらした貞観(じょうがん)地震の、4年ほど前の噴火です▼次々現れる奇岩、洞くつ。溶岩にあの手この手でからみつく木の根。しかし、どこまで行っても溶岩と木々です。やがて、単調な風景の意味に気づきます。おびただしい溶岩を吐き出し、広大な森をつくりだした、富士の自然力のなんという大きさ、ゆたかさ▼先月末、政府は富士山を世界文化遺産に推薦しました。富士は、信仰や絵・文学を生む文化の源だから、と。しかし富士山は、がっかりしているかもしれません。“なぜ自然遺産に認めてくれない?”▼たしかに、富士山に失礼な気もします。しかし、人間の勝手で自然遺産の登録には障害があります。富士山を荒らし続けるアメリカ軍や自衛隊の演習場を置いたままで、「世界遺産の自然をまもる」と約束しても、やはり説得力にとぼしい▼政府は、こんどは奄美・琉球諸島の世界自然遺産への登録をめざします。軍の基地が多い地域ですが、なんとか障害を乗り越え登録にこぎつけたい。それにしても、よりによってゆたかな自然を誇る地に、軍がいすわる日本の現実です。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって