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2012年1月6日(金)

きょうの潮流

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 「失楽園」とは、文字どおり楽園を失うこと。年の初めから縁起でもない、といわれるかもしれません▼日本では、渡辺淳一さんの小説の名でも知られています。しかし、元祖はイギリスの詩人ミルトンの、1万行あまりの長詩『失楽園』でしょう。日本では徳川四代将軍のころ、17世紀に出版されました▼反逆のかどで暗黒の世界に落とされたサタンの、神に対する復しゅうを描きます。ミルトンは信仰厚い人だったようですが、『失楽園』は、聖書の話を借りて乱世に生きる人間のあり方を問うているようにも読めます▼たとえば、サタンのたくらみが成功して楽園を追われる羽目になったアダムに、天使が熱く説きます。自由とは。真理に従って生きる尊さとは…。最近、ミルトンに、言論の自由を論じた文章があると知りました。“ほかのすべての自由以上に、自由に論議する自由を与えよ”と訴えます▼次いで、自由を奪う者を非難します。議論で勝敗を決めるときに検閲で通せん坊をするのは、真理のたたかいでは腰抜け・卑きょう者のふるまいだ、と。議会派のミルトンは、清教徒革命に情熱をささげた人です。反革命で王制が復活し、八方ふさがりの中で『失楽園』を完成させました▼読みながら、今の日本にも「腰抜け・卑きょう者」がいると思いました。民意に通せん坊をする不公平な選挙のしくみで反対党をしめ出し、議会での議論の場を奪う大政党などです。ミルトンもいいました。“真理のために、ただ議論の場を与えよ”


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