2012年1月1日(日)
国民の選択に注目
米・仏・ロなど大統領選
今年2012年は米国(11月)やフランス(4月)、ロシア(3月)、韓国(12月)などで大統領選挙が行われます。昨年は「アラブの春」や「占拠」運動など、国民の行動が政治を動かす大きな力となりましたが、選挙でどのような選択がなされるのか注目されます。また中国では、中国共産党の指導部が交代します。
米国
雇用・経済対策が争点
米国の大統領選挙は、民主党現職のオバマ氏に野党・共和党が挑む形となります。長引く景気低迷の下で雇用・経済対策が最大の争点となります。
4年前の2008年、「チェンジ(変革)」を掲げて圧勝したオバマ氏も支持率は下がるばかり。共和党で指名獲得を争う各候補は、財政赤字削減・規制緩和などの政策で競合しています。
フランス
決選投票なら社党候補優勢
フランス大統領選挙では、再選を狙うサルコジ氏に対し、最大野党・社会党のオランド元第1書記、共産党などで作る「左翼戦線」のメランション左翼党党首、「欧州エコロジー・緑」のジョリー欧州議会議員がそれぞれ立候補を表明しています。
第1回投票で過半数を獲得する候補は出ない見通しで、この間の各種世論調査では、第2回投票でオランド氏とサルコジ氏が対決する場合、オランド氏が勝利するとの結果が出ています。
韓国
FTAなどで与党伸び悩む
韓国では1期5年の任期を終える李明博(イ・ミョンバク)氏に代わる大統領を選出します。
与党ハンナラ党の最有力候補は朴槿恵(パク・クンヘ)非常対策委員長。ただ同党は米韓FTA(自由貿易協定)批准強行や李氏の親族が絡む不正疑惑などを受けて、支持率が伸び悩んでいます。
昨年10月のソウル市長選で市民活動家の候補を支援して当選させ、動向が注目されている安哲秀(アン・チョルス)ソウル大教授は、政界進出の意志を示してはいませんが、若者を中心に支持を集めています。
ロシア
プーチン出馬批判が相次ぐ
ロシアでは、2期目の任期を終えるメドベージェフ氏に代わる大統領を選出します。
与党・統一ロシアからは前大統領のプーチン首相が立候補。2008年の憲法改正で今回から大統領任期は6年となり、同氏が最大で12年間、ロシアを再び統治する可能性も出ています。
こうした動きには「権力の私物化」とプーチン氏に対する市民の批判・反発が相次いでいます。
中国共産党
新しい総書記に習近平副主席か
中国共産党は今年秋に5年に1度の党大会を開きます。2期10年務めた胡錦濤総書記、温家宝首相がそれぞれ交代。新しい総書記には習近平副主席が有力視されています。
新国家主席の就任は2013年3月の全国人民代表大会で行われます。
台湾では1月に総統と立法院の選挙が行われます。経済協力が進む中国との関係を争点に、国民党現職の馬英九総統と野党・民進党の蔡英文主席が争っています。