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2011年11月21日(月)

富裕増税反対派に亀裂

特別委、合意先送りも

米共和党に“異変”

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 【ワシントン=小林俊哉】米国で富裕層増税に絶対反対と声高に主張している野党・共和党に“異変”が起きています。米ワシントン・ポスト紙は「(増税反対の)ドグマ(教条)をあきらめるかどうかで党内衝突」(17日)と報じています。


 米議会は現在、与野党12人の議員からなる「特別委員会」で1・2兆ドル(約92・5兆円)の赤字削減策について協議中。24日の感謝祭までに結論を出すことになっています。

水面下の工作

 報道は期限が迫る中、同委員で増税反対派の急先鋒(せんぽう)で知られた共和党のトゥーミー上院議員とヘンサーリング下院議員が、水面下で3000億ドル規模の増税を容認するよう党内で根回し工作をしているというものです。

 これに驚いた同じ増税反対派の同党議員70人が、いかなる増税も「無責任」とする書簡を同委員会に送付。同紙は「妥結要求が高まるなか、共和党は(増税絶対反対の)教条上のジレンマに直面」と皮肉っています。

 同党議員の多くは、選挙中に、親経済団体や保守派グループの呼びかけに応じて、増税反対の「誓約書」にサインするなど、強固な富裕層増税反対派です。

 18日には、極端に“小さな政府”を主張する「ティー・パーティー(茶会)」の支持を受けた議員らが、財政赤字を許さないとする憲法修正案を下院で採決に持ち込みました。

 しかし、「均衡予算」を名目に予算編成の手を縛れば、不況で苦しむ国民への保護施策も切り捨てられてしまうことなどから、「極端な措置」として批判を浴びています。

 結果は、可決に必要な3分の2の賛成が得られず、あえなく否決されました。

自動的に削減

 同特別委員会は、もともと今年夏の債務上限引き上げ議論の際、具体的な財政再建策を決定する場として、設置されたものです。具体策で合意できなければ、自動的に一律歳出削減措置が始まる仕組みを設けています。医療や社会保障分野での大幅歳出削減を掲げた共和党の意向が強く反映されたものでした。

 しかし、オバマ政権は富裕層増税を柱の一つにした財政再建策を提案。これに反対する共和党は、ブッシュ前政権から引き継いだ富裕層減税の“恒久化”を主張するものの、今後10年間で3・7兆ドルの財源を見いださなければならないことから、何らかの「歳入改革」への同意が迫られている状況です。

 その一方で、特別委員会で合意できない場合でも、一律歳出削減措置の開始が13年と先であることから、早くも合意先送りの見通しも出ています。


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