2011年11月15日(火)
長野・南牧村 菊池村長が再選
若者「循環型農業に希望」
お年寄り“住み慣れた村で暮らしたい”
任期満了に伴う長野県南牧(みなみまき)村長選は13日投開票され、現職の菊池幸彦氏(69)=無所属=が激戦を制し再選されました。
当選の報に、菊池村長は「4年間の村政が村民から評価された。利権のない、清潔で明るい、誰からも好かれる温かみのある村政の流れをこれからも続けてほしいという思いの結果だ」と語りました。
村長選は、新人候補が前議長を選対責任者にすえ全集落に組織をつくり「しめつけ」を強化するなど激しいたたかいとなりました。
選挙がすすむにつれ、「幸彦を頼む」という声かけが党派をこえ、草の根のように村のあちこちに広がりました。
菊池氏の選対責任者の菊池智弘さんは「村民の支援の結果だ」と話しました。選対事務局長の片桐勝則村議(日本共産党)は、「若者も女性も過去に経験したことのない活躍だった。共産党も村民のみなさんと一緒にたたかえたことが大変うれしい」とあいさつしました。
村の若者たちが組をつくり、ビラ配布やポスター張りなど全村をくまなく回りました。
多くの若者が選挙応援は初めてです。その一人、レタスや白菜をつくる25歳の農業後継者はこう語ります。
「菊池村長は4年間クリーンな政治をした。福祉に力を入れたことはよかった。今年子どもが生まれ、村の妊婦健診の15万円の補助制度があり、助かった。もう1期頑張ってもらいたい」
菊池村長が2年来取り組んできた「循環型農業」にも、「農業に希望が持てる」と期待の声があがりました。「循環型農業」は、年間7万トンにもなる村の畜産農家から出る牛のふん尿を、微生物を使い良質なたい肥にして、特産の高原野菜づくりに生かす農業です。
後継者の若者は「これからは化学肥料を減らし環境に配慮した農業をしたい。畑の地力を高めていくのによい施策」と話します。
選挙中、つじつじで演説する菊池村長に、涙を流しながら「必ず勝ってください」と懇願するお年寄りの姿がありました。
菊池村長は「老後を住み慣れた村で安心して過ごせるよう頑張る村長を落とせない」という気持ちをひしひしと感じたといいます。
2期目に向け菊池村長は、18歳までの医療費無料化など福祉のさらなる充実と若者向け村営住宅建設、農業・観光の振興などをかかげた「5大プラン」の実現に全力をあげる決意を語りました。
日本共産党員首長は、全国で10人。長野野県内では、菊池氏のほか、木曽町の田中勝已町長、御代田(みよた)町の茂木祐司町長の3人です。
選挙結果は次の通りです。
当菊池 幸彦69無現
1256
高見沢武史47無新
952
(投票率85・51%)
(大星史路)