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【写真】高橋一郎さんTPPはアメリカの都合

全国共済農業協同組合連合会山形県本部長
高橋一郎さん

 野田民主党政権が11月上旬にも表明しようとしているTPP(環太平洋連携協定)交渉参加について、JAグループとして、農業に及ぼす影響が大きく、全体として日本経済にとって良いとは思えないので反対です。

国民的合意ない

 東日本大震災を機にこの国のあり方が問われています。復興対策をどう進めるか議論すべき時なのに、国民的合意のないまま、TPP交渉参加が一方的に決められようとしていることに憤慨しています。

 1998年の金融ビッグバン以降自由化が進み、カタカナの(外資系)損害保険会社が日本に進出しています。TPPで日本の共済・損保市場への参入拡大を狙っていることは明らかです。加入した会社がなくなったり、統合したりを繰り返しています。儲からないなら撤退というのが彼らの基本姿勢であり、利益をあげるため効率性だけを追求していることの表れです。

 JA共済は地域コミュニティーの中で相互扶助を基本理念に共済事業をしています。農業と農村、組合員の生活向上と生命、財産を守るのが私たちの事業です。地域貢献活動もしています。効率性だけを追求する外国の保険や株式会社とは違います。

 TPP参加で関税が撤廃されれば、日本農業は壊滅的打撃を受けます。地域コミュニティーを支えている農業が壊れれば、農村が危機に直面します。農業、農村を基盤とする産業も壊れます。

 TPPは、アメリカの都合で日本に(加入を)押し付けられているものです。

 韓国や中国は参加していません。アメリカが日本に参加を急がせる背景として、アメリカの巨大なマネー資本主義、新自由主義などの大きな力、貿易拡大のため進められているのではないでしょうか。

反対運動大きく

 24分野ある中で、金融・共済についてまだ情報が少なく、わからない部分が多いというのが現状です。

 推進派の経済界などは、TPP加入で関税を撤廃すれば経済が向上するといいますが、疑問に思います。

 私たちも鈴木宣弘東大大学院教授(農協共済総合研究所客員研究員)の論文などで研鑽を重ねています。私たちは、県民、国民の反対運動が大きな波となるようにJAグループの一員として阻止のため取り組んでいきます。(聞き手 山形県・片桐春一)

(2011年11月7日)

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