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日曜版 新春ズバリトーク
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志位さん&ザ・ニュースペーパー

 政治家のものまねで権力を痛快に笑い飛ばすコント集団、ザ・ニュースペーパーと、日本共産党の志位和夫委員長―。2013年の新春トークは異色のエール交換です。総選挙結果から、経済、原発、外交・安保、憲法、さらに「お笑い」論議まで、話はどんどん広がって…。


志位さんとザ・ニュースペーパー
志位和夫委員長(中央)と、ザ・ニュースペーパーの(左から)山本天心、渡部又兵衛、福本ヒデのみなさん

 

志位 ザ・ニュースペーパーのみなさん、新年おめでとうございます。

渡部、福本、山本 おめでとうございます。

志位 よくいらっしゃいました。

山本 初めて党本部に来させていただきました。早速ですが、劇的な総選挙でしたね。ザ・ニュースペーパーも、ちょっと一変して…。

志位 演じる政治家の役が変わりますね。

福本 選挙速報見ていますと、次々に自分の役を失い…。(笑い

山本 でも福本は今度、(再び持ちネタの)安倍総理になれます。

福本 偽物も再チャレンジ。(安倍氏のものまねで)「日本を取り戻す」(笑い

志位 うまいですね(笑い)。私は、人をいじめて喜ぶお笑いは大嫌いですが、権力を風刺した痛快なお笑いは大好きです。

福本 ありがとうございます。ぜひ日本共産党のお笑い部門に入れてください。(笑い

山本 共産党はいつも弱い者の味方という思いが強く、そこが好きなんですよ。自民党政権になり、右に行こうとしているから、今こそ共産党の出番かなと。

志位 責任が重いですね。新しい国会では、国民の利益をまもるしっかりした野党として、私たちが頑張らなければと思っています。

 

《総選挙》私も最後まで迷ったんです(山本)

渡部 今回、(共産党は)9議席から8議席。まわりの党の劇的変化に比べると、(議席は)キープされた印象でしたけれども。本当は2倍が目標でしたね。

志位 そうです。議席倍増をと、党員と支部、後援会のみなさんは燃えるような奮闘をしてくださった。それを、議席の前進に結びつけることができず、1議席の後退は残念です。委員長として痛く責任を感じています。党内外のみなさんのご意見に耳を傾け、自己検討をおこない、今後に生かしていきたいと考えています。

 ただ、直近の2010年参院選では比例の得票356万票、得票率6.10%。これを出発点にしてきましたから、今回わずかですがプラス13万票の369万票、得票率も6.13%。押し返す第一歩の足がかりはつくれたと。

渡部、福本、山本 ほおー。

志位 今回の選挙では、棄権が1千万人も増えました。民主党に裏切られたが、自民党に戻るのもためらわれる。「第三極」が出てきたけど正体がわからない。

渡部 迷った人がとても多かったですよ。

志位 棄権した人たちは、政治に無関心ではなく、気持ちを託せる党はどこかと探究しているプロセスにあると思うんです。今後、そういう人たちの中で、「次は共産党」という人をいかに増やすかが大きな課題だと思っています。

山本 実をいうと、今回、私も共産党か、みんなの党か、迷ったんですよ。でも、今はいいことを言っていても、いざとなったら変わるんじゃないかと思って、ぶれない共産党を選んだんです。

志位 ありがとうございます。悩んだ人が本当に多かったと思います。

 今度の選挙結果でもうひとついえば、東京新聞(12月18日付)が大事な数字を出しています。全有権者の中で、自民党に投票した人の割合は、小選挙区で24%、比例代表は15%。それなのに議席は6割。つまり、小選挙区制という仕掛けがつくった「虚構の多数」なんです。

福本 選挙制度の仕組みが、よくないですよね。

志位 そうです。自民党への風が吹いたわけじゃない。

渡部 自民党も笑ってないですね、みんな。

志位 だれも笑えない。自民党に入れた人も、強い信頼を寄せたわけではないし、自民党もそれはわかっている。民意はまだ、模索の過程で、結論を出していないんですね。

福本 今回12党が選挙にでましたね。プロ野球の球団とくらべると数は多くない。共産党を球団にたとえると、広島カープですね。「赤旗」と赤ヘルだし、広島カープのファンはぶれない。ぼくも実は広島(出身)で、ずっとカープを信じています。それにマークがC(志位)。(一同大笑い

山本 でも、共産党も伸びなかったのは、悔しいですよね。絶好のチャンスだったと思うんですよ。

志位 全国であれだけ奮闘してくださったのに、議席の前進に結びつかなかった最大の理由として、党の自力という問題があったと感じています。いまの政治のもとで苦しんでいる国民に溶け込み、深く結びつく力をもつ党をつくりたい。新たな気持ちで開拓と努力をはかりたいと決意しています。

 

《安倍政権》うそくさいと思ってますよ(福本)

渡部 安倍政権の行方をどう見ていますか。

志位 やろうとしていることを見ていますと、国民との矛盾がすぐに表面に噴き出し、激しくなることは避けられないと思います。

 経済対策では、国民の所得を増やすという肝心な政策はやらないで、「無制限の金融緩和」や「大型公共事業のばらまき」という破たんが証明ずみの「カンフル剤」を打って、消費税増税を強行しよう(としている)。

 外交では、沖縄の米軍基地問題でも、TPP(環太平洋連携協定)でも、矛盾がいっそう深刻になると思う。そのうえ、憲法を変える道に踏み出すとなると、日本国民のみならず、アジア諸国民と激しい矛盾がおこるでしょう。

福本 自民党が選挙で、TPPに反対と言ってもうそくさいとみんな思っていますよ。北海道の公演で、TPPを「十勝ピンチピンチ」とやったら、地元紙の見出しにまでなりました。(笑い

志位 北海道は地域ぐるみでTPPに反対ですからね。TPPは「例外なき関税ゼロ」という仕組みです。安倍さんは、「聖域なき関税撤廃」が前提なら参加しないと公約しましたが、アメリカや財界からの圧力がすごい。日米首脳会談でさっそく矛盾が出てきます。

 あらゆる問題で、たたかいはこれからですよ。原発問題でも、自公政権は再稼働を進める方針ですが、大飯、敦賀、東通と、つぎつぎに原発の下の活断層が問題になってくる。

 消費税も、安倍さんは選挙中の党首討論で〝景気が悪ければ上げないこともある〟と言った。実際に上げるかどうかはまだ決着がついていません。国民のたたかいと参院選での審判で食い止めていきたい。

山本 国民の身に降りかかってくる問題は、私たちの公演でも反応が大きいですよ。

福本 消費税では「消費税を8%から10%にするのは、国民のことを考えているからです」というコントをやっています。「8%だと計算しづらい。1500円だと消費税いくらか、計算がむずかしくて悩む。だから10%にしたんです」と。結構受けますね。(笑い

 

《経済政策》なるほど!賃上げで好環境(渡部)

志位 安倍内閣の経済政策は展望がないですね。「デフレ対策」といって「無制限の金融緩和」をやるといいますが、日銀が一万円札をたくさん刷って、インフレにすれば、景気がよくなるかというと、ならない。いま景気が悪いのは、働く人の賃金がどんどん下がっているからです。賃下げのままインフレになったら、ますます苦しいじゃないですか。

福本 そのへんは、安倍さんにアドバイスしてもらっていいですかね(笑い)。そうしないと…。

山本 また短命で終わっちゃう。

志位 デフレの悪循環が起こっています。働く人の賃金が減る、モノの売れ行きが悪くなる、企業の業績が悪化する、そうするとますます賃金が減る。

福本 よくないですね。

 ◆悪循環断つ

志位 この悪循環をどこで断ち切って、好循環にするかというと、まず働く人の賃金を上げることですよ。働く人の賃金は、97年をピークに1世帯平均102万円も下がっているんです。

 雇用のルールを強めて非正規雇用の人を正社員にする。中小企業への手当てをしながら、最低賃金を引き上げる。中小企業の下請け単価を適正にする。これらは、大企業にたまっている260兆円の内部留保のごく一部を還元すれば可能です。悪循環から好循環に切り替わり、結局、企業にもプラスになるんです。

渡部 なるほど。わかりやすいですね。

志位 いま大企業が「業績悪化」を理由に、ごく目先の利益だけを求めて、リストラ競争をやっています。一社だけで見れば、その会社の利益はあがる。でもすべての企業がやったら、景気はいよいよ悪くなります。モノもいよいよ売れなくなる。企業もいよいよ苦しくなる。大企業は、自分で自分の首をしめるようなことをやっているんです。

福本 どうしてそういうことが、わからないんですかね。

 ◆政治の出番

志位 わかっていてもやめられない(笑い)。こういう問題は、個々の企業の努力だけでは解決できない。だから政治の出番なんですよ。政治が乗り出して、働く人の所得を増やす政策に転換する。共産党は、大企業をつぶせとか、経営がどうなってもいいなどという立場ではありません。大企業に、その力にふさわしく、雇用や中小企業への社会的責任を果たしてもらう。それが企業のためにもなると(いうことです)。

山本 そうですね。公共事業のばらまきはどうでしょう。

志位 これは悪い方向での政治の「乗り出し」ですね。「国土強靭(きょうじん)化」とかいって、200兆円ものお金を、高速道路や巨大港湾など大型開発にどんどん使う。1990年に「公共投資基本計画」という、10年間で430兆円を公共投資に使うという計画があり、そのあと630兆円にふくらんだということがありました。

福本 ホーッ。

志位 私は、橋本龍太郎首相(当時)と、630兆円という「総額先にありき」の方式を撤廃せよと国会で論争をやったことがあります。この方式では使いきるまで公共事業をやることになる。日本国中にムダ遣いがあふれ、残ったのは莫大(ばくだい)な借金の山でした。

山本 時計の針を戻すようですね。

志位 ほんとに。大失敗したものをもう一回やろうなど、とんでもないことです。

山本 もし志位さんが総理大臣になったら、今の日本の赤字財政をどうたて直しますか。

志位 歳出のムダを削るとともに、歳入では、応能負担――負担能力に応じた負担の原則にもとづいた財政改革を行います。まず富裕層や大企業への行き過ぎた減税をただし、税金はとるべきところからとる。同時に、国民の所得を増やす経済改革を行います。内需主導で経済を成長させ、税収を増やす。

 これらを実行すれば、だいたい10年後には40兆円くらいの財源がつくれます。これで年金、医療、介護、子育てを充実し、財政危機の打開をはかる。こういうプラン(「経済提言」)を示していますが、この方向こそがいよいよ重要になってくると、私たちは確信しています。

 

《原発ゼロ》官邸前は熱気にあふれている(志位)

福本 選挙が終わって原発問題があまり報道されなくなったら、なんかちょっと危険だなっていう気がするんですが、どうですか。

志位 私たちは、「原発即時ゼロ」を掲げ、これこそ一番、現実性があり、責任があり、実行可能と主張しました。自民党が議席で多数を占めたけど、国民はけっして原発を認めたわけじゃない。安倍さんは、勘違いしてもらってはこまる。総選挙後も、官邸前抗議行動が続けられ、私も参加しましたが、「自民党の勝手にはさせないぞ」という熱気にあふれていました。すべての原発がなくなるまで、国民の運動を広げ、包囲していきたい。私も、みんなとスクラムを組んで、最後まで頑張り抜く決意を新たにしているところです。

 

《憲法9条》軍事同盟は少数なんですね(渡部)

山本 あと、志位さんにがんばってもらいたいのが憲法です。安倍さんは憲法に手をつけようとしていますよね。時代って怖いもので、少し前は憲法9条を変えるなんてタブーという空気だったのに、今は、尖閣問題などが出てきて、9条改正が簡単に言える時代になってきた気がするんです。

金曜官邸前志位 ただ、今度の選挙で、安倍さんが、憲法9条を変えることを前面に出して選挙をやったわけではありません。9条を変える是非を問えば、守ってほしいというのが国民の多数だと思います。それを本当にゆるぎない多数派にして、これを守り抜くことは、大きな仕事ですね。

福本 安倍さんが言っている、96条の憲法改正の発議要件を、衆参の「3分の2」から「2分の1」に変えるというのは、どう思われますか。

志位 これは目的が見え見えです。9条改変が本丸で、そのために堀を埋めようと。「大坂冬の陣」で、まず外堀も内堀も埋めちゃうという話です。本丸は9条ですから、そこをセットで考えてほしいですね。

福本 もちろん反対ですよね。

志位 もちろんです。

写真)総選挙後の最初の官邸前行動に参加し原発ゼロを訴える志位さん。
右は笠井亮衆院議員=2012年12月21日、国会前

 ◆矛盾あるが

福本 昨年、船橋の高校の芸術鑑賞会に呼ばれました。憲法をコントにしてくれといわれて、こう言ったんです。

 「憲法9条には軍隊を持たないと書いてあるのに、自衛隊を持っているのは矛盾している。でも、矛盾していても歯止めをきかせるために変えちゃだめだ。変えたら、ちょっと変えるつもりがどんどん変える。人間は調子に乗りやすいから」と。矛盾しているから変えるというのではなく、矛盾しているのに変えないのはそういう理由なんだと。舞台でやったら、オオーッみたいな高校生の反応がありました。(笑い)志位 その通りですよ。とても論理的なコントですね。(笑い)

 私は、憲法9条の問題は、日本の国内問題にとどまらない問題だと考えています。過去の侵略戦争で、アジアで2千万人もの犠牲者を出した。その反省のうえにたった世界への「不戦の誓い」が憲法9条です。これを壊して、「海外で戦争をする国」になったら、日本国民の大多数の気持ちに反するだけでなく、アジアの諸国民からも激しい批判と不信を呼び起こすことになりますよ。9条を生かした自主自立の平和外交を行ってこそ、本当の信頼を得られると思うんです。

福本 石原(慎太郎)さんは核を持てばいいとか、9条があったから北朝鮮に拉致されたとか、言いたい放題ですよね。

志位 党首討論会でいうから、とんでもない発言だと批判しました。9条があったからこそ自衛隊は一人の外国人も殺さずにきている。一人の戦死者も出ていないんです。

山本 僕は共産党の9条の考え方が好きな半面、自分の中に矛盾があるんですよ。それは日米安保を解消しろという共産党の立場です。もし米軍基地がなくなったら、それこそ核を持たなければ日本を守れないということはないですか? ひょっとしたら中国に守ってもらわなければならなくなるとか。

志位 そんなことはありません。いま、世界を見ると、軍事同盟というのはごくごく少数派なんですよ。いま世界で機能している軍事同盟はいくつだと思いますか?

福本 もしかして日米安保だけ? そんなことないですよね?

志位 日米軍事同盟と米韓軍事同盟とNATO(北大西洋条約機構)の三つほどですよ。他の軍事同盟は、解消するか、機能停止に陥っています。

渡部 ほう、そうなんですか。世界では少数なんですね。

志位 私たちは、安保条約のような軍事同盟ではなく、紛争の平和解決に徹した、ASEAN(東南アジア諸国連合)のやり方を、北東アジアにも広げたらどうかと提案しているんです。ASEANでは、人類社会から紛争――もめ事はなくならないが、紛争を戦争にしないことは人類の理性で可能だ、紛争の平和解決に徹しようという考え方で、地域の平和共同体をつくっています。この地域が発信源となって、TAC(東南アジア友好協力条約)を、ユーラシア大陸を覆うような形で大きく広げています。

 こういう地域の平和共同体を、北東アジアにも広げようじゃないか。その条件としては、6カ国協議(注1)を発展させるのが一番現実的です。困難はあっても、北朝鮮をこの協議の席につかせ、朝鮮半島の核をなくし、ゆくゆくはこの枠組みを、地域の平和と安定の機構に発展させる。

注1 北朝鮮の核開発問題をめぐる日本、米国、韓国、北朝鮮、中国、ロシアによる直接協議

福本 それはすばらしいですね。いまは何かというと日米軍事同盟を強化しろとか、アメリカと組むのが当たり前のようになっていますね。

志位 この間、北朝鮮の「ロケット」発射がおこる。中国機の領空侵犯がおこる。そうするとすぐに軍事の対応の話が出てきます。しかし、日本に欠けているのは軍事力じゃない。道理に立った外交力なんです。北朝鮮の問題でも、アメリカや韓国も含めて、関係国はどの国でも独自の外交ルートを持って外交交渉で問題解決のための努力をしているのに、ひとり日本だけが「外交不在」です。

 尖閣問題でも、中国政府に日本の領有の正当性を理を尽くして説いたことが一度もない。「外交不在」こそが問題です。「外交不在」で事態を悪化させてきた人たちが、事が起こると、「軍事力の強化だ」「憲法改定だ」と叫ぶ。これが一番たちが悪いですね。

渡部 ASEAN流の話はおもしろいですね。

志位 ASEANと中国の間で、南シナ海の領有権をめぐって紛争問題が起きています。しかし、この問題も「南シナ海行動宣言」をつくって、紛争をエスカレーションさせない、話し合いで解決する方向を強化するための努力を重ねています。

 先日、緒方副委員長が中国と領土紛争を抱えているフィリピンに行って、政界中枢の人と会談しました。「領土紛争に関して、米軍基地を復活させようという動きがありますか」と聞くと、「とんでもない、誰一人そんなことをいう人はいない」ということでした。

 考えてみると、紛争の平和解決に徹するASEAN流の精神を、一番先駆的な形でうたいあげているのが日本国憲法9条でしょう。日本こそ9条に立った平和外交の先駆者の国になるべきではないでしょうか。

 

《天皇問題》目からうろこ、ひれ、エラも(山本)

山本 この間、志位さんが私たちのラジオ番組(注2)に出たときです。被災地に天皇陛下が行って、ひざを突き合わせて国民目線でしゃべっている姿をどう思いますかと聞いたら、志位さんは「共感するものがあります」と言われましたね。聞いたときに、僕は目からうろこ、せびれ、尾ひれ、エラ、全部落ちた。(笑い

注2 2012年9月2日のラジオJFN番組「ザ・ニュースペーパーの『PEOPLE〜日曜日の朝刊・世界を笑え!』」

福本 魚じゃないですか。(笑い

志位 昭和天皇は、侵略戦争と暗黒政治の責任者として、天皇個人についても厳しい批判をしてきました。しかし、代替わりしたいまは、自然体で対すればよいと考えています。天皇の制度とは「国政に関する権能を有しない」という憲法の規定を守る限り、共存していくという立場なんです。もちろん、いずれは国民合意が熟したら、民主共和制になるという展望をもっています。それまでは共存するし、憲法から外れない限り、自然な気持ちで対すればいいと考えているんです。

 

寅さんの笑いはいい。演説でも(志位)

渡部 志位さんの話を聞いていると、わかりやすく納得できる話なのに、なぜ国民に伝わらないのかな。

志位 新しい政治を探求し模索している国民に届く、伝わる言葉で語ることに、もっともっと努力しなくてはと考えています。今日もお話ししましたが、私たちは「大企業をつぶせ」などという立場ではもちろんありません。「安保をなくして大丈夫?」という疑問にも丁寧に答えていく努力も、とても大切です。そういうことも含めて、国民に届く、伝わる言葉で語るための努力を、うんと強めたい。

山本 エジプトはフェイスブックで政権が代わったという話ですから、打開策を一緒に考えましょう。

志位 インターネットも、フェイスブックもツイッターも、もっともっと効果的に活用してアピールする方法を研究していきたいですね。

山本 どこかとくっついて、嫌なことは我慢して、政権に入るというのはダメですか? 自民と社会が組んだ村山連立政権のように。

志位 でも、あれで社会党は、安保も自衛隊も認めて、崩壊していったでしょう。

福本 コバンザメ政党で成功した例はないですよね。(笑い

志位 やっぱり自分の力で行かないと。いまの政治を大局で見れば、古い自民党政治がいよいよ行き詰まり、新しい政治の前夜が来ているという感じがします。国民との共同を広げ、この道をすすみたいですね。

 ◆父親の遺言

渡部 志位さんは大学1年生で入党して、両親も党員でしたね。親と自分は違うみたいな反発はなかったですか?

志位 私の場合は信頼が強かったですね。父は小学校の教員で、とくに権力にこびへつらうことが大嫌い。それは徹底していました。競争教育もきびしく批判していました。ランクをつけられたら「できる子」も苦しいし、「できない子」も苦しい。

 ですから、私が、学校で「いい点数」をとってきても、高校や大学の入試で合格したときも、ほめられたことは一度もなかったですね。「よかったな」といったのは、共産党に入党するといったときくらいかな(笑い)。すべての子ども一人ひとりを大切にして、その子のもつ可能性をのばしていくという考え方でしたね。

渡部 そうなんですか。だいたいは父親に反発するのに。

志位 父が、2005年に亡くなる数年前に、「教育基本法が危ないから」とわが家を訪ねてきて、3、4日にわたって、教育基本法について話してくれたことがあります。教育の目的に「人格の完成」を置くことの意味。競争主義・序列主義の有害性。教育への権力的介入を排除したことに(改定前の)教育基本法の真髄があること。教育について考えていることを、すべて話してくれました。それが私にとって遺言のようなものになりました。

 そのあと安倍内閣になって教育基本法改定が強行された。父も含めて、多くの先人たちのたたかいで守られてきたものが壊されたことは悔しい思いでしたが、根本にある日本国憲法は生きています。憲法を生かした教育の再生に取り組んでいきたいですね。

福本 いいですね、信じたものをずっと信じられる生き方というのは、いま少ないじゃないですか。

ザ・ニュースペーパーのステージ ◆ギャグ提案

志位 私は個人的には、お笑い大好き人間なんです。寅さん。ああいうお笑いはいいですね。演説でも、もっとうまく話せたらいいのにと思っています。

山本 今日は志位さんに提案したいギャグがあります。アントニオ猪木が「1、2、3、ダアー」とやっていた。あれを「1、2、3、シイー」(と右手のこぶしを突き上げる)。演説会でこれをやるのはどうですか?(笑い

志位 ハハハ。

写真)ザ・ニュースペーパーの公演での「民主党コント」=2012年7月、東京

福本 自分からはやりにくいですよねえ(笑い)。周りがやるのならともかく。ぼくたちにも、共産党のファンの方が、けっこう見にきていただいています。何でも笑い飛ばすパワーも持ち続けてらっしゃいます。

山本 共産党の方が一番笑いますよ。受けが違いますもん。

渡部 ヤジが飛ぶ、偽物だって言っているのに。(笑い

福本 (前首相の)野田さんの(ものまねでは)大変でしたからね。野外のイベントで「帰れ!」って言われて。冗談で、「『近いうち』に帰りますから」と。(爆笑

志位 人間はしんどい時にもワハハと笑うと、がぜん元気が出てくる。そういうものですね。ニュースペーパー的な笑いが国中に広がったら、日本は良くなると思うなあ。

福本 そういってもらうとうれしいですね。

志位 今日はありがとうございました。また、番組に呼んでください。

渡部、福本、山本 ぜひ。

(「しんぶん赤旗」日曜版 2013年新年合併号より)
 

◇志位和夫(しい・かずお)
=1954年、千葉県生まれ。2000年から日本共産党幹部会委員長。衆院議員7期目

◇社会風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」(TNP)
=1988年、昭和天皇重病で「自粛」の動きが広がるなか、三つのコントグループが集まり、結成。現在メンバーは9人

福本ヒデ(ふくもと・ひで)
=1971年、広島県出身。TNPのつっこみ役を一手に引き受ける主力メンバー

◇渡部又兵衛(わたべ・またべい)
=1950年、北海道出身。「劇団民藝」に8年在籍し「ザ・ニュースペーパー」(TNP)創立に参加。TNPリーダー

◇山本天心(やまもと・てんしん)
=1962年、愛媛県出身。ミュージカル俳優から転身し、TNP創立に参加

 

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