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2021年8月9日(月)

きょうの潮流

 被爆76年の8・9を前に、原爆資料館とともに長崎駅近くの「長崎平和資料館」を訪ねました。日本が犯した侵略戦争と植民地支配の歴史を忘れまいと、市民ボランティアが手弁当で運営しています▼朝鮮人や中国人が炭坑や工場に強制連行・強制労働された地図や遺品、働かされた「坑道」も再現しています。日本語を「国語」に「皇国臣民の誓い」を暗記させた標語なども。朝鮮人は長崎に推計で4万6180人が敗戦時にいました。「14歳のとき徴用の赤紙がきて、日本に連行された」徐正雨(ソ・ジョンウ)さんも、その一人です▼「300人ほどが船で端島(はしま)に送られた。翌日から炭坑で働かされた。豆カス8割のめしで毎日のように下痢した。休もうものならリンチを受けた。端島は軍艦島というより、絶対に逃げられない監獄島」と▼徐さんは5カ月後長崎市の三菱造船所に移動を命じられましたが、今度はあの日を迎えることに。「ピカッと光ったと思うと、ものすごい爆音がしました。鉄板が落ちケガをした。傷あとが今もあります。爆心地北で道路整理を命じられ、見るも無残な死体と、臭いで一杯でした」▼戦後、日本人女性と暮らし双子に恵まれましたが、戸籍上の結婚はしませんでした。強制労働と原爆で健康を害し「差別のない平和な社会のために、死ぬまで運動する」が最期の思いです▼「長崎を最後の被爆地に」。この願いがアジアに世界に、より広がるため、異国で二重の犠牲となった人たちの無念を心に刻み非戦・反核の誓いを―。


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