2021年5月30日(日)
きょうの潮流
「何をやっても遅いなあ、大阪は」「ほんまやなあ」。大阪市天王寺区の路上でぼやく2人の男性に出会いました。ワクチン接種のことです▼接種率は全国最低水準。府内各地で「いつになったら接種できるのか」「ネット予約の仕方がわからない」「電話がつながらない」の声があがり、日本共産党の予約相談はどこでも「助かった」と歓迎されています▼ふりかえると10万円の一律給付金支給も大阪市は全国の政令都市のなかで一番遅れました。営業時間の短縮や休業要請に応じても大阪府の協力金支給は遅れに遅れ、「『見回り隊』に職員と予算を注ぎ込むより支給の体制を強化すべきだ」の怒りの声があふれています▼一方、大阪府のコロナ感染による死者数は東京都を上回り全国1位。重症者が重症病床を上回り続け、自宅療養・待機者は一時1万5千人にのぼりました。入院率は全国最低の1割で必要な治療を受けられないまま死亡する例が増えています▼大阪の病床不足は深刻です。「これまで大阪府や大阪市が病院を統廃合したり、採算のとれない病院をつぶしてきたことが大きい」「いま国でもさらなる病床削減が進められていることも大きな問題だと思う」。大阪府職労発行の「府職の友」にはこんな看護師の声が▼病院統廃合、職員削減などのツケが噴き出し感染封じ込めの科学的戦略のなさが事態を悪化させています。厚生労働省でさえ検査拡充にかじを切りつつあるなか接種と並行して大規模検査に本格的に踏み出すときです。








