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2020年9月24日(木)

「桜」招待状 信じたのに

ジャパンライフ被害者 悲痛な声

それでも幕引きか

老後の備えが ■ 自殺考える日々 ■ 笑顔返して

 税金を使った公的行事「桜を見る会」の招待状を自らの悪徳商法に徹底的に利用したジャパンライフ元会長・山口隆祥氏の逮捕をうけ、「桜を見る会」疑惑が改めて焦点になっています。菅義偉首相は事実上、再調査を拒否していますが、野党の「総理主催『桜を見る会』追及本部」に手紙や手記の形で数多く寄せられたのは、被害者の悲痛な声でした。官房長官(当時)として招待者名簿のとりまとめにあたった菅氏には、真相を明らかにする責任があります。


写真

(写真)ジャパンライフの説明会資料。同社社員から日本共産党の大門実紀史参院議員が入手

 被害者の声が紹介されたのは、日本共産党、当時の立憲民主党と国民民主党などの野党共同会派の昨年12月3日と、12日の「総理主催『桜を見る会』追及本部」ヒアリングでした。その内容を振り返ってみます。

 「桜を見る会の招待状を信用し、ジャパンライフに財産を預けました」(87歳)「『桜を見る会』『政治家』との食事会の映像や話を聞いて信用し財産をあずけました」(山形県・77歳)「『桜を見る会』の招待状の映像がでました。すごい会社だと思いました。総理からの招待状が届くなんてびっくりしました」(42歳)。手記がそろって物語るのは、「招待状」の効果の大きさでした。

 被害者の中には、老後の備えをとためたなけなしの財産を失った人も。

 「桜を見る会の大きな写真を見てすごい会社だと安心信用し老後のお金を全部あずけてしまいました。たすけて下さい」(87歳)「私の家族・親戚がジャパンライフの被害にあいました。老後のために汗水たらしてコツコツためてきた老後の資金をあの招待状1枚のために全部失いました。爺ちゃん、婆ちゃんの笑顔を返してください」(手記、山形・40代女性)「年金が国民年金なので、少しでも多く年金を増やし、老後に備えるつもりでした。家族にも内緒でしたがばれてしまい、自殺を考える日々です」(手記)

 菅首相は16日の就任会見で「桜を見る会」について「来年以降、今後は中止したい」と表明しました。しかし、求められているのは、疑惑の真相解明です。なぜこうした招待状の利用の仕方を許したのか、なぜ、悪徳商法を行う人物に招待状が送られたのか―。「今後は中止」で済む問題ではありません。


政府に政治責任

 ジャパンライフ被害対策中部弁護団長の杉浦英樹弁護士の話 被害者は経済的に非常に困っています。ジャパンライフの破綻後、同社に電話しても対応してもらえず、電話代にも事欠く状況です。80代の被害者は軽度の知的障害がある娘まで契約させられていました。

 1人の被害者は安倍晋三前首相主催の「桜を見る会」への招待状のパネルを見て契約したといっています。政府には法的責任を別にしても、政治的責任があります。重要な問題なので、内閣において調査すべきです。


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