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2020年8月30日(日)

安倍首相辞任 各国の報道

政治的にも経済的にも新鮮なスタートが必要

欧州各紙

 【ベルリン=桑野白馬】安倍晋三首相が28日に辞任を表明したことに対し、欧州各紙は厳しい論調を展開しています。

 独誌『シュピーゲル』(電子版)は28日、「日本は政治的にも経済的にも新鮮なスタートが必要だ」とするコラムを掲載しました。日本経済が縮小を続けていると指摘し、安倍首相の経済政策は「近視眼的」で「失敗」と断定。安倍首相の「1強体制」のもとで「自民党内から新しい提案は出てこなかった」と指摘しました。

 新型コロナウイルス対策について、安倍政権の「カオス(混沌=こんとん)な危機管理」が感染再拡大を招いていると批判。「新首相は何よりもこの危機に対応する必要がある」と強調しました。

 また、「女性活躍」をうたったものの、閣僚に女性が少なく、多くの女性が非正規雇用で働かざるを得ない現状があると批判。貧富の格差も拡大しているとし、「安倍首相の“雇用の奇跡”は消えうせた」と主張しました。

 外交に関しては「次期首相は孤立している外交政策に対処する必要がある」と指摘。「ナショナリストの態度で中国や韓国を幾度となく刺激した」などと批判しました。

 仏紙ルモンドは「危機時におけるみじめな指導者だった」と酷評。国会を開かず数々の疑惑に説明責任を果たさなかったことや、新型コロナ対応への遅れを批判しました。

 英BBCは「安定と不祥事」と題したコラムで、「えこひいきや、公文書の改ざん・廃棄などの不祥事が相次いだ政権だった」と指摘しました。

右傾化もたらした

韓国各紙

 安倍晋三首相の辞任表明について、韓国各紙は29日付で社説やコラムなどを掲載しました。

 ハンギョレ新聞は、「安倍首相が在任期間中、日本は急激に右傾化した」と指摘。また「何よりも『嫌韓』を政治的に悪用し、韓日関係を大きく悪化させた」と強調し、「安倍首相の辞任が、最悪の状況に陥った韓日関係を改善する出発点になることを期待する」と求めました。

 東亜日報は「歴史修正主義的な観点で過去の歴史を美化しようとする傾向を見せ、戦争可能な普通の国づくりにこだわり、周辺国との摩擦をもたらした」と指摘しました。

 朝鮮日報は、靖国神社の参拝や「慰安婦」被害者に謝罪の手紙を送る考えは「毛頭ない」と発言した国会答弁などを紹介。「徴用工裁判について『国際法違反』と主張し、過去にはなかった貿易報復によって対抗した」とし、「露骨な韓国たたきを行ってきた。次の日本の首相は『嫌韓政治』をしてはならない」と述べました。


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