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2020年8月20日(木)

きょうの潮流

 「1クラス20人じゃなかったら今、死んでます…」。画面の向こうから、小学校教員が繰り返しました▼つい先日のオンライン学習会で、まず目に飛び込んだのは「教室空間のゆとり」でした。机と机の間はゆったり。ぐるぐる回って子どもに声をかけることができます。一人一人に気を配る時間も確保されるため、「まあ、20人ならいけるかな」。やれることの幅も広がりました▼机が40個並ぶと、その間はわずか20センチ。「体を横向きにして歩くしかない」と嘆く教員。「ソーシャルディスタンスは、もちろん取れません」。教育研究者有志が呼びかける「#コロナ時代に少人数学級を(署名)」に寄せられる訴えが、胸を締め付けます▼「そもそも教室は狭い」。ある小学校教員はこう言います。子どもの机の横には、いろいろな持ち物もかかっている。なのに40個も並べるからすぐぶつかって、いざこざも起きやすいと。狭い部屋にぎゅうぎゅうに押し込められて、長時間過ごす子どもたち。人数が少なければ「教室の空気も変わる」と▼「それに、子どもはあせらなくてよくなるんです」とも。プリントを配ったり集めたりするのもすぐ終わり、「早く!」とせかさなくて済むからです。子どものゆとりと教員のゆとりとの好循環が生まれ、日々の丁寧な対応につながっていくことでしょう▼せめて1日1回でいい。教員に声をかけてもらえたら。「私のことも、ちゃんと見てほしかった」。そんな切なさをかかえた子どもが、一人でも少なくなりますように。


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