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2020年6月9日(火)

主張

沖縄県議選

民意に従い新基地は断念せよ

 沖縄県議選(定数48)が7日に投開票され、名護市辺野古の米軍新基地建設に反対し、玉城デニー知事を支える「オール沖縄」の与党勢力が過半数を維持するとともに、日本共産党は7人全員の当選を勝ち取り、党史上最多の議席を獲得しました。深刻なコロナ危機の中でも新基地建設を推し進めようとする安倍晋三政権に対する県民の厳しい審判です。

建設費をコロナ対策に

 辺野古の新基地建設をめぐっては、2018年9月の県知事選でデニー氏が圧勝したのをはじめ、19年4月の衆院沖縄3区補選と同年7月の参院選沖縄選挙区で「オール沖縄」の候補が連続勝利しています。新基地建設に伴う辺野古埋め立ての是非を問う同年2月の県民投票でも反対票が7割を超えました。今回の県議選も、辺野古新基地建設の是非が最大の争点の一つでした。

 安倍政権は県議選を前にした4月、新基地建設に向け、辺野古沖に広がる軟弱地盤の改良のため、埋め立て工事の設計変更を沖縄県に申請しました。県がコロナ対策で独自の緊急事態宣言を出した直後に申請を強行したもので、県内外から怒りの声が上がりました。

 日本共産党は、新型コロナから県民の命をどう守るのかが喫緊の課題になっている時に辺野古新基地建設を進めようというのは許されないと批判し、今回の県議選は「沖縄の進路はもとより、日本の民主主義がかかった歴史的なたたかいだ」と訴えてきました。

 沖縄県は、辺野古新基地の建設費を総額2兆5500億円と試算しています。県民1人当たり175万円に相当する新基地建設費をコロナ対策、暮らしと経済のために使えという日本共産党と「オール沖縄」の訴えには、共感の輪が大きく広がりました。

 沖縄の地元紙も、新型コロナまん延の中、「いくらかかるかさえ判然としない米軍基地の建設に巨額の血税を投じるのは狂気の沙汰」(琉球新報4月23日付)「新基地は『不要不急』の極みである。計画を断念し、その財源を窮地に陥っている中小零細企業や困窮世帯に振り向けるべき」(沖縄タイムス5月15日付)だと主張しました。

 デニー県政は、コロナ対策でこれまでに約630億円の予算を組んでいます。県民1人当たりの額では全国トップクラスです。飲食・小売業者や、国がこれまで支援してこなかった認可外保育所などへの支援、PCR検査センターの県内5カ所への設置、抗体検査の実施なども決めています。こうした先駆的な県政を支える日本共産党と「オール沖縄」の勝利をという訴えにも、大きな支持が寄せられました。

工事の再開は言語道断

 県議選の結果を受け、菅義偉官房長官は辺野古新基地について「かなり理解が進んできているのではないか」とし、「前に進めていきたい」と述べました(8日)。しかし、自民党は公約で辺野古新基地建設「容認」を掲げながら、選挙戦では県民の批判を恐れて言及を避け続けたのが実態です。

 安倍政権は、作業員にコロナ感染者が出たため中断している新基地建設工事を再開する方向で検討していると報じられています。言語道断です。安倍政権がやるべきは、沖縄の民意に従い、新基地建設をきっぱり断念することです。


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