しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年6月3日(水)

きょうの潮流

 韓国ドラマ「愛の不時着」が評判を呼んでいます。有料動画サイト、ネットフリックスの配信番組。日本でも若者を中心に人気が広がり、冬ソナ以来のブームになっています▼韓国の財閥令嬢がパラグライダーの事故で北朝鮮に不時着し、出会った軍の将校と恋に落ちる。笑いあり、涙ありの王道ラブストーリーですが、はまるツボや見方はさまざま。ジェンダーの視点から主人公の生き方に共感したり、北朝鮮の生活や人びとに関心を抱いたり▼ありえないと思いながらも引き込まれてしまうのは、やはり同じ民族が引き裂かれた現実の悲劇が背景にあるからでしょう。いまも朝鮮半島を南北に断ち切る38度線は、このドラマでも象徴的な場面の舞台になっています▼「わが民族が光復の喜びを思う存分感じる前に国土は二つに分けられた。今日、私たちは地球上にほとんど唯一の分断国家として残されている」。韓国の高校教科書では軍国日本に国を奪われたあと、米ソによって線引きされた痛みをそうつづっています▼今月25日は民族同士が血みどろのたたかいをくり広げた朝鮮戦争の開戦から70年の節目。なぜ同じ民族、愛する者が苦しまなければならないのか。なぜ統一できないのか。ドラマを見た若者たちが思いを巡らせることを願いつつ▼いま日本では歴史をねじ曲げる政権が近隣諸国との友好や連帯の障害となっています。朝鮮半島の分断につながった日本の植民地支配。その反省なしでは平和をめざすアジアで不時着するだけです。


pageup