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2020年5月25日(月)

きょうの潮流

 男性ばかりだった光景が一変します。突破口を開いたのは女性たちの声でした。イタリア政府が設置した新型コロナウイルス対策の作業部会。新たに11人の女性が加わることになりました▼戦後最悪規模の深刻な打撃を受けた社会や経済をどう立て直す。当面の対策だけでなく今後の国の在り方も含めて議論する場として設けられたのが作業部会でした▼問題はその構成です。どの作業部会も構成員はほとんど男性。医療専門家などでつくる作業部会にいたっては全員が男性です。さすがにこれはおかしい。ジェンダー平等の観点から構成を見直すよう女性たちが一斉に声を上げたのも当然です▼「私たちに発言権を」と銘打った市民団体は首相宛てのオンライン署名を開始。恋人やパートナーからの暴力増加など、女性はコロナ危機から特に被害を受けている。働いて社会を支えている女性は無数にいる。「それなのになぜ女性抜きで国の未来を議論するのか」と訴えました▼正論を突き付けられた首相はついに「女性の貢献は国の再生に役立つ」と述べて女性専門家の追加を発表しました。草の根の運動で政治を動かした女性たち。女性の地位向上を目指す国連機関UNウィメンも、その奮闘に注目しています▼コロナ危機後にはもっと平等で公正な世界を―。「より良い形への復興」へ模索が始まっています。誰もが大切にされるジェンダー平等社会の実現もその一つ。イタリアの女性たちのたたかいがその一歩となったことは疑いないでしょう。


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