しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年5月22日(金)

一律休校 その先へ(3)

「勉強見てやれない」 LINEで母親たち悩み出し合う

写真

(写真)休校中の悩みや不安について語り合うLINEの画面

 新日本婦人の会東京都本部の岡田尚子さんと岡林奈緒子さんは、4月末から5月初めにかけて、LINE(ライン)で休校中の子どもを持つ母親たち約25人と、悩みを出し合いました。

課題が大量に

 岡林さんには小2の息子がいます。5月、課題が大量に出ました。課題をこなすための時間割もあり、5時間目までぎっしり書かれていたと言います。「学校のように5時間も机に向かわせるなんて無理。私が横について教えながら、午前の2時間でなんとか1日分をすませます。子どもは、たくさんあるプリントを見て『ビリビリ破りたい!』と言っています」

 岡林さんは、週4日の在宅ワークの合間を活用して、勉強を教えています。「看護師をしているシングルマザーのママ友は、子どもが通う学童保育では勉強しないので、課題は一切やっていないといっていました」と話します。

 LINEの書き込みの中には「『休校中の学習が成績に反映する』と言われた」というものも。「多くのお母さんが、学習の責任を押し付けられていると感じている」と岡田さんはいいます。

 母親たちは「通信教育を始めればよかった」「子どもの勉強を見てやることができない」「高3で受験がどうなるのか」など不安と悩みだらけです。

 学校再開後については、「限られた時間内に1年分の内容を詰め込むのは無理」「夏休みを削ると、猛暑で体力や精神面でつらい」「9月入学に無理に切り替えると、しわ寄せが子どもに来るのではないか」と意見が分かれます。

 オンライン授業も各地で進んでいます。岡田さんの高3の息子は、ユーチューブ動画などを活用して自主学習をしていました。「中1の娘も2時間ほどならできます。でも、小学生は画面の向こうに集中することが難しいのではないか」と心配します。

つながりたい

 「制服のにおいをかぐと気持ちが悪くなる」という子どもの話も書かれていました。「中学1年で入学式しか行けなかったので、緊張がほぐれないままなのでしょう」と岡田さん。「生活のリズムやメンタルが気になります。子どもの負担をこれ以上増やさないでほしい、というのが共通の思いなんです」

 今後の学校のあり方について思うのは…。「9月入学も夏休み短縮も、リスク負うのは子どもと親と先生。実際、この2カ月そうだったから」と岡林さん。岡田さんは「勉強の内容を減らしたり、翌年にずらしたりしてほしい。ソーシャル・ディスタンスを考えると、1学級をせめて30人以下、できれば15人ぐらいにしてほしい」と語りました。

 「お母さんたちは不安を話せる場を切実に求めています。これからは、オンラインカフェなどでつながっていきたいです」(岡田さん)

 (つづく)


pageup