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2020年3月18日(水)

「全国一律休校要請」による子ども・国民の混乱と被害に対する、責任ある対応と補償を求める

――日本共産党の政府への申し入れ

 日本共産党が17日に萩生田光一文部科学相に申し入れた「『全国一律休校要請』による子ども・国民の混乱と被害に対する、責任ある対応と補償を求める」の全文は次の通りです。


 科学的根拠なき政府の「全国一律休校要請」が、各地で深刻な混乱と被害を引き起こしています。とくに子どもたちの受けた被害は深刻です。卒業直前あるいは学年末だった子どもたちは、突然の別れに心の整理がつきません。長期の休校は、「基本的に自宅ですごす」という子どもの生活にそぐわない方針のもとで、子どもの心身の健康を損ねるおそれすらあります。学ぶ権利の保障の問題も重大です。さらに、休業を余儀なくされた保護者の収入減や給食業者への補償など解決すべき問題は山積しています。

 混乱と被害をつくったのは他ならぬ政府自身です。政府の責任で対応と補償を行うことを強く求め、以下の点を申し入れます。

一、子どもの心身のケアの重視――学校受け入れの改善、子どもへの昼食保障などを促す

 「全国一律休校要請」の最大の被害者は子どもたちです。ところが、国の対策には、長期休校に伴う子どもの心身のケアなど子どもの権利保障の視点が欠落しています。そのもとで、例えば学校での私語禁止、校庭や公園での外遊びを認めないなど、理不尽で子どもを傷つけるような対応までおきてしまいました。困難をかかえる家庭の子どもなどたいへん心配なケースもあります。政府として春以降も含めて子どもの心身のケアを重視することを強く求めます。

 休校中の場合、学校への子どもの受け入れが心身のケアに有意義です。ところが、子どもの受け入れに厳しい条件を課す、校庭も使わせない、給食を出さないなどの硬直した対応がいまだにあります。政府の責任で徹底した改善を図ることを求めます。また、図書館などの公的施設への子どもの受け入れの促進、学校へのマスク等の必要な備品の支給を求めます。

二、障害のある子どもへの学校受け入れの改善、放課後デイサービスへの財政支援を行う

 突然の長期休校は、障害のある子どもにとって特に深刻です。特別支援学校では受け入れのハードルが高い自治体が多く、登校しにくい状況がうまれ、登校自体を認めない自治体すらあります。こうしたもとで子どもの生活が昼夜逆転する、パニックになる、親のストレスが限界に達するなど放置できない状況が広がっています。高すぎるハードルの是正、スクールバス、給食、障害に応じた教育的ケアなどができるよう、特別支援学級を含め、政府としてイニシアチブをとることを求めます。

 休校の受け皿となった放課後デイサービスも大きな混乱に見舞われました。休校にともなう追加的経費の全額を、全事業所が確実に補償されるよう、きめ細かい対応を求めます。

三、子どもの学習権の保障――授業の回復のために各学校・教員の最大限の裁量による弾力的カリキュラム編成を保障し、4月の全国いっせい学力テストは中止する

 政府の方針通りに休校する小中学校は、3週間ちかい授業がなくなってしまいます。この回復は切実な課題ですが、機械的な授業増は子どもの負担を考えても、教員の働き方を考えても無理があります。その解決のため、学校・教員に最大限の裁量を保障し、個々の実情に応じた無理のない計画で、授業の遅れを取り戻せるようにすべきです。そのためにも、丸1日授業がなくなるだけでなく、事前の「過去問題」練習で相当の授業がつぶれる実態もある、全国いっせい学力テストの2020年度実施の中止を求めます。

四、学童保育、保育所での豊かで安全な保育を保障する財政措置を拡充する

 長期の休校により、学童保育や保育所に多くの負担が押し寄せ、悲鳴があがっています。学童への補助額増額の継続・拡充とともに、学校休校中の体育館や校庭等の学校施設、児童館等の公共施設を利用できるようにすることを求めます。

 休校の影響による職員不足を解消するためにも、学校の子ども受け入れを促進するよう求めます。感染対策のマスク、消毒液などの迅速な支給とともに、感染者が出て閉所せざるを得なくなった際の、指導員、保育所職員の賃金補償を求めます。

五、合理的な休校等の目安を示し、4月以降の学校の見通しを持てるようにする

 学校には子どもの成長・発達を支える教育的役割や健康・安全を守る機能があります。同時に、保護者の就労など社会全体と密接に関係しています。新型コロナウイルスへの対応の基本は、国の専門家会議も強調している通り、国民生活や社会への影響を最小限にしながら、感染拡大防止の効果を最大限にするものでなければなりません。「全国一律休校要請」は、このバランスを著しく欠くもので、専門家会議の委員から疑問の声があがったのは当然です。子どものことを考え、感染対策を講じながら、さまざまな形で開校する自治体もうまれました。

 「全国一律休校要請」を深く反省し、合理的な休校等の目安を示すこと、その場合でも実際にどうするかは自治体・学校の判断を尊重することを明らかにし、今後の、特に4月以降の学校の展望がもてるようにすることを求めます。

六、休校による保護者の収入補償、給食業者への補償を、誰一人取り残さず行う

 休校による保護者の収入減は、全額政府の責任で補償するのが当然です。ところが政府の緊急対策第2弾は、自営業の保護者には10万円の融資しかない、従業員も企業が制度を活用しなければ補償されない、フリーランスは1日たった4100円という、不十分なものです。すべての保護者の収入減が全額補償されるような措置と、ワンストップの相談窓口をもうけることを求めます。また、3月の売り上げ減などによって収入が激減した家庭が、激変緩和措置によって就学援助をうけられるようにすることを求めます。

 給食業者への打撃も深刻で、このままでは廃業する企業もうまれます。わが党の質問に対して約束した牛乳関係の補償にとどまらず、必要な全食品の損失の補償を強く求めます。さらに、学校鑑賞教室や修学旅行等の中止・キャンセルへの補償を求めます。


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