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2019年10月29日(火)

将棋新人王戦 高野が熱戦制す

師匠ゆずりの粘りの受け

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(写真)増田康宏六段(左から2人目)に勝利し第50期新人王になった高野智史四段(右)。立ち会いの阿部光瑠六段(左)、小木曽陽司「しんぶん赤旗」編集局長(同3人目)=28日、東京・将棋会館

 高野智史四段(26)の初優勝で幕を閉じた将棋の第50期新人王戦(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負第3局は増田康宏六段(21)が工夫の作戦を見せましたが、高野四段が持ち前の受け将棋を生かして勝ち切りました。

 小木曽陽司赤旗編集局長の振り駒で増田六段が先手番となりました。後手が角換わりを目指したのに対し、先手が拒否。増田六段が得意の雁木で☗4八玉の右玉に構え、前例のない力戦形に進みました。

 先手の積極的な☗6五歩(33手目)を見た高野四段が長考、31分の考慮で☖7三桂とこの手をとがめ☖4四銀~☖3三角と進んで、今度は増田六段がつづく2手で62分の長考に沈み、変調を思わせました。

 高野四段が8筋から仕掛けたのに対し、増田六段が36分の考慮で2筋から仕掛け返し、たたかいに突入。中央での折衝がつづき、☖2二歩と収まったところは、「先手気分がいいですが、実際の指し手は難しく形勢は不明」(立会人の阿部光瑠六段)。高野四段は「☖2二歩は選びたくなかったが、具体的に悪くなる変化が見えなかった」といい、増田六段は「いい手がなく厚みをつくられて悪くした」と局面を評価しました。

 増田六段が1分将棋に入った直後の82手目☖5六歩が「攻め番が回ってきてやれると思った」(高野四段)という局面。最後は先手玉を即詰みに追い込みました。

 勝った高野四段は開口一番、「うれしいの一言」。師匠の木村一基王位の新人王獲得経験やタイトル奪取が自身の力になったことを明かし、「最初は自信がなかったが、自分の受け将棋が生きる展開になってよかった」と振り返りました。

 新人王戦史上4人目となる3度目の新人王を逃した増田六段は「優勝したかったが、相手にうまく指されてしまった」と肩を落としました。

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