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2019年10月21日(月)

性暴力 刑法改正語る

東京 日本学術会議がシンポ

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(写真)活発な議論が行われた日本学術会議の公開シンポジウム=20日、東京都内

 日本学術会議は20日、東京都内で公開シンポジウム「岡崎『性暴力事件』から見えてきたもの―学術に何ができるか」を開催しました。性暴力被害当事者や支援者、行政関係者、法学、医学、社会学などの研究者らが議論し、さまざまな角度から強制性交等罪など現行刑法の問題点と改正の必要性が語られました。

 未成年だった女性に父親が性交を強要していた事件で名古屋地裁岡崎支部が3月、無罪判決を出しました。甲南大学法科大学院教授の園田寿さんは、抵抗が「著しく困難」なほどの「暴行・脅迫」が強制性交等罪の処罰要件とされている現行刑法の問題点を判決の内容に照らして指摘しました。

 神奈川県中央児童相談所虐待対策支援課の三桝優子さんは、見えにくいが極めて深刻な子どもの性的虐待の実態を調査報告から紹介しました。

 性暴力禁止法をつくろうネットワーク共同代表で、京都性暴力被害者ワンストップ相談支援センタースーパーバイザーの周藤由美子さんは、無罪判決に抗議する「フラワーデモ」が全国に広がって以降、被害を周囲に打ち明けやすくなって性虐待を受けていた未成年者が保護されたり、相談電話で「社会は変わるんだ」と話す人が現れるなど、支援の現場で変化が起きていると話しました。

 一橋大学大学院教授の宮地尚子さん(医学)は性暴力を受けると、相手の命令に自動的に従ったり固まってしまう、麻痺(まひ)するなど生物学的反応があることを明らかにし、「(性暴力の被害者が)なぜ逃げなかったのか、という問いは単純で古い生物学的モデルだ」と批判しました。


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