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2019年9月16日(月)

きょうの潮流

 「死ぬ気がせん」。116歳、世界最高齢と認められた福岡市の田中カ子(かね)さん。人類が初めて動力付きの飛行に成功した1903年に生まれ、今も意気盛んです▼チョコレートとオセロゲームが大好きで毎日、老人ホームの仲間と楽しんでいるそうです。夏休みの成田空港。これからアフリカに旅立つという70代後半の夫婦に出会いました。わくわくしながら、未知へのあこがれを語る姿が印象的でした▼自分で選び取った課題をもつ。スケジュール通りに規則正しい生活をする。人とのつながりの中で「必要とされ」「生きる意味をもつ」こと―。長寿者の元気のもとを探ってきた家族社会学者の春日キスヨさんは、それが日々の気力を培い維持する底力になっているといいます(『百まで生きる覚悟』)▼90歳以上が200万人をこえ、総人口に占める65歳以上の割合は3割近くにも。世界でもまれな速さで進行する日本の長寿社会。年を重ね人生をより深く味わう高齢者がいる一方で生きる希望を失って死を待つ人もいます▼ゆきとどかない医療や介護。減らされていく年金。支えとなる社会保障の後退。次の世代への負担…。「人生100年時代」を見すえるといいながら自己責任を求める安倍政権のやり方は、老いへの不安や恐れを増やすことばかりです▼きょうは、敬老の日。自分らしく生きがいをもって長生きができ、みんなが長寿を喜び合える。年にかかわりなく人生を楽しめる。そんな夢のある長寿社会をともにつくっていきたい。


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