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2019年8月14日(水)

きょうの潮流

 その犬の名は「アイビー」。2歳のラブラドルレトリバーです。今月、都立小児総合医療センター(府中市)に配属となりました。週5日、ハンドラー(訓練士)と元気に“出勤”する毎日です▼患者に寄り添い、不安やストレスを和らげる、特別な訓練を受けた「ファシリティドッグ」。日本で4頭目、東京では初めての導入です▼2010年、静岡の病院が最初です。第1号の「ベイリー」はその後、神奈川県立こども医療センターで、小児がんや難病の子を支えました。そばに座っているだけで子どもは笑顔になります。つらい検査や治療にも「ベイリーがいるから」と頑張れる▼子どもだけではありません。「うちの子の検査結果が良くなかったの」。その首を抱いてすすり泣くお母さん。じっと受け止めるベイリー。母親は間もなく涙を拭き、子どもが待つ病室に戻ります。医師や看護師から「大事なスタッフ」と信頼され、惜しまれて昨秋に引退しました。見守った子は約3千人に上ります▼ファシリティドッグは米国で普及が進むものの、日本に育成機関はありません。国内のNPO法人が看護師を募り、米国に派遣し、犬と訓練士の養成にあたります。高額な育成費は寄付で賄わざるを得ない実情です▼今回、都立病院の配置に道を開いたのは日本共産党都議団です。13年から議会で導入を求め、都に「実際に見にいってほしい」と何度も要望した結果です。みんなを笑顔に変えるアイビーは、今日もゆっくりと病室をめぐります。


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