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2019年2月9日(土)

18年度第2次補正予算に対する武田議員の反対討論

参院本会議

 日本共産党の武田良介議員が7日の参院本会議で行った2018年度第2次補正予算(同日可決、成立)に対する反対討論の要旨は次の通りです。


写真

(写真)反対討論する武田良介議員=7日、参院本会議

 毎月勤労統計不正で雇用保険や労災保険など2000万人、567億円もの過少給付の実害が出たのは極めて重大で、全被害者の一刻も早い救済に政府は責任を持つべきです。

 毎月勤労統計という基幹統計の不正で政府の経済認識、景気判断、政策判断にも影響が及んだのは重大です。賃金構造基本統計でも不正が発覚。政府の信用を根底から破壊し、国民の判断を誤らせ、政府予算案の前提を揺るがす事態です。真相解明なくして予算審議は成り立ちません。

 ところが、この間の質疑で、安倍総理をはじめ政府が統計不正の重大性をまったく認識していないことが明らかになりました。

 厚労省の特別監察委員会の報告書は組織的隠ぺいを否定しましたが、幹部や担当部局が不正の真実を知りながら報告せず、こっそり「修正」するなど組織的隠ぺいは明白です。

 根本厚労相は、報告書は「第三者委員会」の結論だと強弁しましたが、職員への聞き取りに官房長や審議官が同席し、報告書原案は厚労省が作成していました。もはや「第三者」とはいえません。

 2018年の実質賃金伸び率を提出しないなど政府ぐるみの組織的隠ぺいではありませんか。不正の背景には、裁量労働制データねつ造、公文書改ざんなど政権の政治モラルの大崩壊があります。

 不正の真実をすべて明らかにするため、国権の最高機関である国会が、政府行政監視の役割を果たすべきです。そのためには野党が要求する参考人を招致し、必要な資料を提出し徹底した集中審議を行うべきです。

 最大の問題は、補正予算としては過去最高の3998億円に上る軍事費です。その8割が最新鋭戦闘機F35Aやイージス・システムなどを取得する歳出化経費=分割払いの前倒しです。財政法上、補正予算は当初予算編成後に生じた事由に基づく緊要な場合に限り認められます。発注ずみ兵器の後年度負担分の繰り上げ払いに緊急性がないのは明白です。

 昨年末、新防衛大綱・中期防計画で、5年間で27兆4700億円もの大軍拡計画を閣議決定しました。専守防衛の建前も捨て、「戦争する国づくり」を進める大軍拡計画は中止し、軍事費を削って社会保障に回すよう強く要求します。

 消費税10%増税対策費として政府広報費20億円、プレミアム付き商品券準備に96億円、新たなレジ導入に561億円などを盛り込んでいますが、統計不正問題で18年の実質賃金伸び率のマイナスが明らかとなり、増税判断の根拠が崩れました。

 原発再稼働対策費も含まれていますが、首相が成長戦略の目玉としてトップセールスで進めてきた原発輸出は総崩れ。安全対策コスト急騰で原発はビジネスとしても成り立たないと認め、野党提出の「原発ゼロ基本法案」を一刻も早く審議するよう強く求めます。

 台風21号、24号、北海道胆振東部地震等の災害対策費は緊急かつ必要ですが、いまだ避難生活を余儀なくされている被災者が多く残されています。被災者生活再建支援法に基づく支援金の最高額を少なくとも500万円に引き上げ、支給対象も大幅に緩和するよう求めます。

 日本共産党は市民と野党の共闘で、ウソのない政治実現、立憲主義回復、本当に国民が主人公の政治実現のため全力を尽くします。


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