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2019年2月4日(月)

きょうの潮流

 高校や大学入試の季節です。目標に向かって猛勉強中の人もいれば、進路が決まって一安心の人もいるでしょう。だれもが保障されるべき教育を受ける権利。しかし、希望しても学校に通えない子がいます▼東京都の山田萌々華(ももか)さん(10)もその一人です。骨がもろく骨折を繰り返す難病で、たんを吸引する機械と人工呼吸器を使用しています。週3回、先生が自宅に来る訪問教育を受けています▼東京では人工呼吸器を使っていると原則、学校には親の付き添いが必要です。萌々華さんの両親は共働きで付き添うことができません。母親の美樹さんは「学年が上がると学習量が増え内容も難しくなりますが、娘の授業は1日2時間だけ。これでは十分に学べません」と不安を訴えます▼同世代の子との交流が少ないのも気がかりです。「本来は明るくおしゃべり好きなのに、普段接する機会がないため、たまに他の子と一緒に過ごしても、どうしていいかわからなくて…」▼萌々華さんのように医療的ケアが必要な子は、10年前の2倍に増えました。学校への受け入れが困難な場合も多く、対策は急務です。美樹さんは「何度要望しても娘の状況は変わりません。4月から5年生ですが、先が見えない不安でいっぱいです」と言います▼昨年医療的ケア児の主張コンクールで萌々華さんは訴えました。「がんばって勉強しますから、学校に行かせてください」。国や自治体は、切なる願いをどう聞いたか。その声にこたえる道を探るべきときです。


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