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2019年2月1日(金)

安倍政治の大破たん突く

統計不正 消費税 大軍拡・改憲 沖縄新基地 原発 日ロ領土

衆院本会議 志位委員長が代表質問

 日本共産党の志位和夫委員長は31日の衆院本会議で、代表質問に立ち、毎月勤労統計の不正、消費税10%増税、大軍拡と憲法9条改定、沖縄米軍新基地、原発、日ロ領土問題など国政の根本問題で安倍晋三首相の立場をただしました。どの問題でも安倍首相は答えられず、安倍政治の矛盾と破綻が浮き彫りになりました。志位氏は「市民と野党の共闘の力で、安倍政権を倒し、国民が希望の持てる新しい政治をつくるために全力をあげる」と決意を表明しました。(質問全文)


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(写真)代表質問する志位和夫委員長=31日、衆院本会議

 志位氏は、毎月勤労統計の不正によって2000万人に567億円の被害が生まれ、政府の経済認識や政策判断にも影響が及び、来年度予算案の審議の前提を揺るがす事態となっている点を強調。厚労省幹部が不正調査の事実を知りながら、報告せず、隠れて「修正」を行ったことをあげ、「これを組織的隠ぺいと言わずして何というのか」と批判し、組織的隠ぺいを否定した特別監察委員会の報告書の結論の撤回と徹底的な真相解明を求めました。安倍首相は、組織的隠ぺいについてまったく答えませんでした。

 10月からの消費税10%増税について、志位氏は「四つの大問題がある」と指摘。(1)家計ベースでも、GDP(国内総生産)ベースでも、日本経済は深刻な消費不況に陥っている(2)増税延期を決めた2年半前に比べても、日本経済は悪化し、世界経済のリスクは高まっている(3)毎月勤労統計の不正によって、昨年の賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていた(4)安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」が奇々怪々なものとなったことへ批判が広がっている―ことを示し「今年10月からの消費税10%増税は、どこからみても道理のかけらもない」と中止を求めました。

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 しかし、安倍首相は「所得環境は確実に改善しているとの判断に変更はない」などと強弁。「法律で定められた通り、10月に現行の8%から10%に引き上げる予定」と繰り返しました。志位氏は「増税するなら空前の大もうけを手にしている富裕層と大企業への優遇税制にこそメスを入れるべきだ」と強調しました。

首相「千島列島返還求めず」

 日ロ領土問題をめぐっては、安倍首相が日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させ、自らの任期中に終止符を打つと繰り返していることを「最大でも歯舞、色丹の2島返還で平和条約を締結して領土問題を終わりにしてしまう方針ではないか」と追及。志位氏が「国後、択捉の領土要求を放棄して平和条約を結ぶことはないと、この場で明言を」と迫っても、安倍首相は答えず、「2島で決着」を狙う正体が浮き彫りになりました。

 志位氏は「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に背く不公正をただす立場で「千島列島の返還を求めてこそ解決の道は開かれる」と主張。安倍首相は「サンフランシスコ平和条約で、わが国は千島列島に対するすべての権利、権原、および請求権を放棄しており、千島列島の返還を求めることはなしえない」と述べ、戦後処理の不公正をたださない日本政府の致命的弱点があらわになりました。

新基地建設中止を

首相「変更承認申請が必要」 行き詰まり浮き彫り

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐって志位氏は、防衛省が埋め立て予定海域に軟弱地盤があることを示す報告書を2016年3月にまとめながら、それを2年間も隠してきたことを指摘。安倍首相は「地盤改良工事が必要」と、軟弱地盤の存在を認め、「沖縄県に対して変更承認申請を行う必要がある」と答弁。新基地建設で深刻な行き詰まりが明らかになりました。

 志位氏は、設計変更には県知事の承認が必要だが、玉城デニー知事は新基地建設を許さない断固たる決意を繰り返し表明していると指摘。「辺野古新基地建設はきっぱり中止し、普天間基地の無条件撤去を求めて米国政府と交渉することを強く求める」と訴えました。


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