しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年1月26日(土)

対話・選挙 各国促す

ベネズエラ暫定大統領 就任宣言

EU 国民の声尊重訴え

 南米ベネズエラでグアイド国会議長が暫定大統領就任を宣言したことをめぐり、各国が立場を表明しています。多くの国が、2015年の選挙で選出された野党主導の国会の正当性を認めるとともに、危機打開に向けた政治対話や民主的な選挙を呼び掛けています。(島田峰隆)

 南北米州35カ国が加盟する米州機構(OAS)は24日、ワシントンで開いた常設理事会の特別会合でベネズエラ情勢を討議。アルゼンチン、ブラジル、チリなど16カ国は、グアイド氏を暫定大統領と認め、「全面的に支持する」とした宣言を発表しました。

 宣言は、国際社会から正当性が疑問視されている昨年の選挙を経て就任したマドゥロ大統領について「違法」だとし、国会が「憲法上の正当性」を持っていると指摘。グアイド氏と国会議員の安全確保を求めました。

 ウルグアイはOASの会合で「平和的、民主的な解決の模索へ協力の用意がある」と表明。すべての勢力に対し対話を促す共同声明をメキシコとともに発表しています。

 欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は23日、全加盟国を代表した声明を発表。ベネズエラ全土で同日行われた大規模な反政府集会について「国民が大挙して民主主義と自らの運命を自由に決める可能性を求めた。この声を無視してはならない」と強調し、マドゥロ大統領に国民の声に耳を傾けるよう求めました。また「自由で信頼できる選挙につながる政治プロセスの開始」を要求しました。

 EU声明はグアイド氏の暫定大統領就任を承認するかどうかについては明言しない一方、国会については「民主的に選出された機構であり、その権力は回復され尊重されなければならない」として「全面的な支持」を表明しました。

 ロシアのプーチン大統領は24日、マドゥロ大統領と電話会談し、支持を伝えました。プーチン氏は「外部の干渉は国際法を踏みにじるものだ」とし、「憲法の枠内での解決模索と対話による対立克服」を求めました。中国外務省も同日、暫定大統領を認めない姿勢を示しました。


pageup