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2019年1月25日(金)

ベネズエラ 全土で反政府集会

野党出馬封じ・国会骨抜き…

民主主義回復の願い強く

 ベネズエラで23日、首都カラカスをはじめ全土で大規模な反政府集会が行われ、圧政や困窮に屈せず、多くの国民が参加しました。そこで示されたのは、民主主義と多数者の支持にもとづく当たり前の政治を願う思いの強さでした。(松島良尚)


 グアイド国会議長の暫定大統領への就任宣言は、国民の審判を拒否する強権政治を許さない国民の決意を反映しています。

 現地メディアによると、反政府集会はカラカスだけでも60カ所以上で行われ、中心部の大通りや広場が埋め尽くされました。

 一昨年の政府側の弾圧以降、反政府デモが鎮静化していたことから、マドゥロ政権は“政府支持の増大”を強調していましたが、実際には人々が弾圧を恐れ、食料などの確保に追われていただけでした。大勢の人が空腹を押して集結し、集会を成功させたといえます。

 マドゥロ氏が勝利したとする昨年の大統領選は、汚職理由による投獄や公職追放などで野党の有力候補の出馬を封じたものでした。選挙違反のレベルではなく、選挙そのものの正当性の根本にかかわる問題でした。

 そもそも国民の明確な意思としては、2015年の国会議員選挙で野党の圧勝という形で明確に示されました。

 しかし、マドゥロ政権は、新国会の権限を骨抜きにし、国会決議のほとんどについても最高裁から違憲、無効の判断を引き出してきました。国民の意思は徹底的に踏みにじられました。

 17年8月に発足した制憲議会も、国会の権限をはく奪し、強権政治を正当化する「最高権力機関」に位置付けるためでした。制憲議会は、不平等な投票権などにもとづく選挙を通じて設立されました。昨年の大統領選挙の前倒し実施を決定したのも同議会でした。

 マドゥロ政権は国民のたたかいも徹底的に弾圧し、多くの死傷者を出しました。

 抑圧と生活苦による国民の怒りの蓄積とたたかいが、今回の反政府集会を軸とする動きにつながりました。1月23日は、1958年にベネズエラの独裁政権が倒れた日であり、国民の民主主義回復の願いが凝縮されました。

 主要な米州諸国が暫定大統領を承認したもとで、マドゥロ政権の孤立はいよいよ深まります。トランプ米大統領は、軍事的選択肢も否定していませんが、外部からの軍事介入は絶対に行われてはなりません。ベネズエラ危機は同国の国民によって解決されるべきものです。

国民多数の支持による公正な政治実現を

 マドゥロ政権の強権政治が浮き彫りになる中、日本共産党は17年5月、ベネズエラ政府に同国の現状に対する懸念を伝え、抗議行動への抑圧的措置をただちに停止し、平和的、民主的解決をはかるよう要請。その後も、機会のあるたびに、公正な選挙を通じて国民多数の意思にもとづく政治を実現するよう求めてきました。


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