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2019年1月22日(火)

きょうの潮流

 病気があっても自由気ままに生きたい―。全身の筋肉が衰えていく進行性筋ジストロフィーの30代男性患者が、数十人のボランティアに支えられながら1人暮らしをする映画が話題です▼「こんな夜更けにバナナかよ 愛(いと)しき実話」です。夜中2時すぎに「バナナ食べたい。買ってきて」と唐突に訴える。「新聞読む! めがねかける! 背中かゆい!」▼ボランティアの都合などお構いなく、自身の思いに任せて次々注文する姿はわがままに映ります。でも―▼ボランティアから泊まりの予定を突然キャンセルされると、「一人じゃ寝返りもうてない」現実に直面します。身勝手な振る舞いは、24時間介助が必要な人が自分らしく生きるための「命がけのわがまま」。ボランティアも本音でぶつかり合う関係を築いていました▼多くの障害者は、遠慮なく介助者に頼めるわけではありません。24歳の女性は、トイレ介助もタイミングを見計らい、母親やヘルパーが忙しそうだと声もかけられない。誰かと話そうとすると「言語障害があり、相手に伝わらないのでは」と先回りして母親が代弁してしまう▼「自分の思いを表現することすら容易な環境ではなかった」と支援する河村あゆみさん。ヘアメーク教室で、女性ら障害者が思いや願いを実現できるようにと取り組んでいます。おしゃれは自分らしさを探り自分つくりのプロセスだと。〈自分で物事を選択し、どうしたいか決定する。そのために必要な支援を求める〉障害者の自立につながる道です。


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