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2018年12月24日(月)

キューバ国会 憲法改正案を承認

来年2月国民投票へ

「市場の役割」認める

 キューバの人民権力全国会議(国会)は22日、7月末以降国民的な討議に付されてきた憲法改正案を全会一致で承認し、同案の是非を問う国民投票を来年2月24日に実施することを決定しました。改正案には、同国で近年進められてきた経済・社会改革の実践を反映して、市場経済の役割を認める規定や国家元首の任期制限などが盛り込まれています。(菅原啓)

 キューバ国会は7月に、憲法改正の草案をいったん承認。その後、キューバ共産党の組織や地域、職場、学校などの会合で草案の討議が行われてきました。今回に提案された新改正案は条文が224条から229条に増えています。

 共産党機関紙グランマなどによると、国民的討議の中で出された提案も考慮に入れ、草案に約760の変更が加えられたとしています。

 元首にあたる国家評議会議長職の制限条項(就任時の年齢60歳以下、任期5年、連続2期まで)や、経済改革の中で重要性を増している「市場の役割」を改めて承認するという新たな規定は、草案から引き継がれました。

 キューバ共産党については、「社会および国の最高の指導的政治勢力である」として、現行憲法とほぼ同じ規定が維持されました。

 報道によると、国民の間からは共産党の指導的役割について反対する提案が262本あったとされています。この点について、アコスタ国会評議会書記は、国会審議の中で、共産党を憲法の上に置くものではないし、党が「国家や行政機関にとって代わるべきではない」と説明しました。

 外国メディアは草案段階で「共産主義」という言葉がなくなったことに注目していましたが、今回の改正案では「共産主義社会への前進」という表現が復活しました。

 国民の中でもっとも活発な議論が起きたのは同性婚を認める規定でした。この問題では賛否が分かれたため、憲法上での明記を断念。家族基本法の改定作業の中で国民の理解を得る努力を進めることになりました。

 ディアスカネル国家評議会議長は国会の閉会演説で、憲法改正の国民的な議論について「わが国の政治制度が参加型で民主的な性格を持っていることを示すものだ」と語りました。


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