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2018年11月24日(土)

茨城県議選 志位委員長の訴えから

 日本共産党の志位和夫委員長は、23日の茨城県議選(30日告示、12月9日投票)の応援演説のなかで、「茨城県民のみなさんの切実な三つの願いを日本共産党に託していただきたい」と訴えました。


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(写真)訴える志位和夫委員長=23日、水戸市

東海第2原発の再稼働ストップ廃炉に

 一つ目の願いは、「東海第2原発の再稼働ストップ、廃炉に」という願いです。

 原子力規制委員会が東海第2原発の20年の運転延長を許可したことで、原発問題は県議選の最大争点になっています。志位氏は、「東海第2原発の再稼働はとりわけ危険」であることを3点にわたって告発しました。

 第1に、運転開始から満40年を迎える老朽原発という問題です。福島原発事故後の法改定で運転期間は「原則40年」になりました。老朽原発の原子炉は中性子を浴び続けて劣化し、もろく壊れやすくなります。「原則40年」ルールをないがしろにする運転延長は許されません。

 第2に、東日本大震災で電源を喪失した被災原発という問題です。東海第2は、原子炉が自動停止した後、2日間外部からの電源を失い、非常用ディーゼル発電機3台のうち1台が津波の影響で動きませんでした。「津波がもう少し高かったら、電源をすべて失い、福島原発事故のような深刻な事態になっていました」と志位氏。

 第3に、人口密集地にあり、実効性ある避難計画がつくれないという問題です。半径30キロ圏内の14市町村に96万人が住むもとで、県がバス3750台で15万人を避難させる想定に対して、県バス協会が、「3000台もの提供は不可能」「放射線が出た場合は対応できない」としています。

 東海第2の再稼働の危険を列挙した志位氏は「再稼働は絶対に許せない。廃炉にするしかないではありませんか」と訴え。NHK世論調査では県民の76%が東海第2の再稼働・運転延長に反対し、県内44市町村のうち約8割の34市町村議会で再稼働を認めない意見書を可決していることを示しました。

 ところが県議会では東海第2の廃炉を求める意見書案に自民党、公明党などが反対し否決。昨年12月議会で自民党議員が「選挙のたびごとに脱原発を訴える風潮は即刻やめるべきだ」と発言しました。

 志位氏は「この期に及んで『安全神話』にずっぽりとつかる自民党に、県民の命をまかせるわけにはいきません。再稼働ストップ、廃炉の願いは、こぞって日本共産党に」と力を込めました。

巨大開発から暮らし・福祉優先の県政に転換を

 二つ目の願いは、「巨大開発から、暮らし・福祉優先の県政に転換を」の願いです。

 志位氏は、茨城県と高知県の暮らしの指標を比較しました。財政力で茨城県は9位、高知県は46位ですが、県民1人あたりの民生費でみると茨城県41位、高知県2位。県民1人あたりの教育費は茨城県25位、高知県2位。子ども人口比の保育所数は、高知県は茨城県の2・1倍、県人口比の病院ベッド数では、高知県は茨城県の4・2倍です。茨城県は財政力があるのに、暮らしの指標は軒並み低いのです。

 暮らしについては“ケチケチ県政”です。記録的猛暑を受けて、県立高校へのエアコン設置の方針を決めたものの、電気代の使用料は生徒1人あたり2400円の保護者負担(総額1・3億円)。1兆円を超える県予算の1万分の1で実現できるのに、です。

 ではお金はどこに行ってしまったのか。「無駄な巨大開発に消えています」と志位氏は、船の来ない常陸那珂港に6800億円もつぎ込み、水が余っているのに八ツ場(やんば)ダムには県費から311億円、霞ケ浦導水事業には県費851億円をつぎ込むなど、自民・公明を中心に日本共産党以外のすべての政党が推進している「逆立ち県政」を批判しました。

 全国9位の財政力を県民のために使えばどうなるか。国保税を1世帯1万円の引き下げに必要な予算は25億円で予算の0・2%、子ども医療を所得制限なしに高校卒業まで完全無料化するには25億円で予算の0・2%でできます。また全国で7番目に高い水道料金は、無駄なダムづくりをやめ、水道会計の黒字を還元すれば、水道料金の引き下げは可能です。「県政の姿勢を変えれば、暮らしと福祉をよくする大きな展望が開かれます。日本共産党をのばして、『自治体らしい自治体』をつくろう」と訴えました。

安倍政権の暴走ストップを

 三つ目の願いは、「消費税10%増税、9条改憲―安倍政権の暴走ストップ」の願いです。

 志位氏は、来年10月からの消費税10%増税が深刻な消費不況をもたらすと批判。日本共産党が提案している富裕層・大企業への優遇税制見直しで5・2兆円、消費税2%分が出てくることを紹介し、「10%ストップの一点で力をあわせましょう」と訴えました。

 さらに、政治的中立を厳格に守るべき実力組織の自衛隊の高級幹部を前に9条改憲の号令をかけるなど安倍首相の常軌を逸した改憲への暴走を批判。「憲法を守らない首相に、憲法を語る資格はありません」「9条を守り、9条を生かした平和日本をつくりましょう」と熱く訴えました。


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