しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年9月27日(木)

流出ビットコイン すでに10億円換金か?

中国系交換所に送金

 9月14日から15日にかけて、仮想通貨交換所Zaif(ザイフ)から流出したとされる仮想通貨ビットコインのうち、10億円相当が、すでに換金されている可能性が26日までに明らかになりました。

 ザイフを運営する事業者テックビューロによれば、流出したのは3種類の仮想通貨で合計70億円あまりとされていますが、このうちビットコイン(単位・BTC)は5966BTCで42億5千万円です。

 ネット上に公開されているビットコインの送信記録を本紙が調べたところ、流出したビットコインのうち18億円近くが多数のアドレスに分散して送金され、そのうち約10億円分は、中国系の仮想通貨交換所バイナンスとみられるアドレスに送金されていることが判明しました。

 バイナンスへの送金は、2BTC(約140万円)をぎりぎり下回る額まで細分化したうえで、15日から23日までの間に700回以上も行われています。1日あたりの送金額は600万円から2億8000万円程度でした。とくに、19日から21日の3日間は送金が集中しており、この3日間だけで500回以上の送金が行われました。バイナンスは日本やアメリカなどの取引所に比べて規制が緩く、2BTCまでの取引ならば本人確認が不要とされていることから、この規制の穴をついたものとみられます。

 バイナンスに送金したのが犯人自身なのか、犯人からビットコインを買った人物なのかは不明ですが、いずれにせよ、取引所を経由することで流出コインの洗浄(ロンダリング)を狙ったものです。少なくとも、この10億円はすでに換金されたと考えられます。仮想通貨交換業者のセキュリティー対策の問題とともに、本人確認が甘く資金洗浄に容易に利用される取引所の存在が、大きな問題となっています。(仮想通貨取材班)

図

pageup