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2018年9月1日(土)

辺野古埋め立て承認撤回

繰り返す違法工事「撤回」は当然

翁長氏の叫び重く受け止め

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(写真)記者会見で撤回表明する翁長雄志知事=7月27日、沖縄県庁

 「辺野古に新基地は造らせない」―。翁長雄志知事の思いを受け止め、沖縄県の謝花喜一郎副知事は公有水面埋立法に基づく許認可権を引き継いだ立場から、名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立て承認を撤回しました。

 (竹下岳)

 「撤回」とは、仮に埋め立て承認が適法だったとしても、その後に生じた事情の変化により、承認の効力を将来にわたって取り消すという処分です。

約束すらほごに

 辺野古新基地をめぐっては、承認当時には明らかになっていなかった違法性や違法行為、埋め立て承認の条件として自ら県とかわした約束すらほごにして工事を強行するという事態が相次ぎました。県が31日、防衛省沖縄防衛局に提出した撤回通知書(別項2面)は、そうした「違法工事」を総まとめにして突きつけています。

 中でも、辺野古大浦湾側での軟弱地盤の存在が明らかになったことで、埋め立て工事そのものが不可能になる可能性が示されたことは決定的といえます。防衛局は少なくとも2016年3月にはその存在を把握していましたが、最近までひた隠しにしていました。

 また、(1)埋め立て予定地での活断層の存在(2)米国防総省が定めた高さ基準を超える建築物の存在(3)辺野古新基地が造られても別の滑走路を用意しなければ普天間基地は返還されない―といった事実は、辺野古埋め立て承認の当時は明らかになっていませんでした。

 さらに、埋め立て承認の条件として国と県がかわした「留意事項」では、工事の実施設計や環境保全対策について県と事前協議をすることが定められていますが、安倍政権は県との協議をいっさい行わないまま、工事を強行してきました。

 また、県に提出した埋め立て申請書に記載された内容を変更して工事を行う場合も、県知事から設計変更承認を受ける必要があります。防衛局は工事の順番を変えたり、陸上搬入するはずだった傾斜堤護岸用石材を海上から搬入するなどの変更をおこなってきましたが、県から何ら承認を受けていません。

政府の側に責任

 こうした一連の違法行為を総括すれば、県の撤回判断は当然です。

 政府は今後、県知事選(9月13日告示、30日投票)の動向をみすえながら、いずれ(1)行政不服審査法に基づく不服審査請求と仮処分申請(2)行政事件訴訟法などに基づく提訴―などの対抗措置をとるものとみられますが、埋め立て承認の撤回にいたった責任は政府の側にあります。

 翁長知事は7月27日の記者会見で、撤回に向けた手続きに入ることを表明。そこでは朝鮮半島の平和の流れにふれ、このまま政府が辺野古新基地建設を強行し続ければ、「こうした流れから取り残される」と警告しました。これが、翁長氏の公の場での最後の姿です。

 安倍政権は承認撤回にこめられた魂の叫びを重く受け止め、新基地建設を断念すべきです。


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