しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2018年8月17日(金)

きょうの潮流

 どの国にも似た格言や名言があるようで。「早寝早起きは健康、富裕、賢明のもとである」。米建国の父、フランクリンの言葉です。節約、勤勉を旨とした人。ロウソクを節約するため、夏に標準時を1、2時間早めるサマータイムを発想しました▼その導入をめぐり、日本で議論が起きています。発端は東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長です。五輪の酷暑を懸念し、安倍晋三首相に導入を要請。首相も検討を指示しました▼とはいえ、あまりに知恵がなさすぎないか。これで酷暑の影響を受けるマラソンを午前7時開始から5時にできると。しかし、そうなると夕方の競技はより暑い時間になってしまいます。暑さを避け時間を繰り下げると今度は終電にひっかかる。あちらを立てればこちらが立たず▼もともとサマータイムは人間の体内時計を狂わし、深刻な影響があるとの指摘が多い。日本睡眠学会は「心疾患、脳血管疾患…心の問題にまで悪影響を及ぼす」と▼本格導入から約40年の欧州では経済効果に疑問があり、健康に悪影響があると廃止論が浮上しています。かつて日本でも占領軍が導入し、4年で打ち切られています。理由は寝不足と残業増です▼五輪開催のために国民の健康や生活を損なうのは、本末転倒です。そもそもサマータイムという小手先の対策で東京の酷暑を克服できるとも思えません。五輪を秋の涼しい時期に移すのが一番の解決策ではないのか。変えるべきは開催「時間」ではなく、その「時期」です。


pageup