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2018年5月22日(火)

首相「獣医大いいね」

15年2月 加計氏と面談

参院に提出 愛媛県文書に明記

首相に虚偽答弁の疑い

 愛媛県は21日、学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設をめぐる官邸や学園などとの面会記録を参院予算委員会に提出しました。記録には、2015年2月25日に安倍晋三首相が加計孝太郎理事長と面談し、「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と語ったと記載。学園の獣医学部新設を知ったのは昨年1月20日という安倍首相の国会答弁が虚偽だった疑いが強まり、首相の資格が問われる事態になりました。


 提出されたのは、15年2~4月にかけて県地域政策課が柳瀬唯夫首相秘書官(当時)や学園幹部、今治市の担当者らと面会した際の記録です。

 学園が県に報告した記録によると、加計氏と安倍首相が15年2月25日に15分ほど面談。その際、加計氏は安倍首相に「今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明」。安倍首相からは「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とのコメントがあったとしています。

 安倍首相は、昨年7月24日の衆院予算委員会で加計氏から「獣医学部をつくりたい、さらには今治市に、といった話は一切ございません」と答弁していました。今年4月11日の衆院予算委でも「加計さんから獣医学部新設について相談や依頼があったことは一切ない」と断言。県の記録とまったく異なる答弁をしてきました。

 15年2月25日の加計氏との面談については首相動静に掲載されていません。また衆院予算委(4月11日)で、加計氏と15年4月2日の少し前に会食したことはあるかと聞かれて、安倍首相は「会食の記録を調べてみましたが(中略)ございません」と答えていました。

 愛媛県は柳瀬首相秘書官(当時)との新たな面会記録も提出。15年3月24日に学園幹部、今治市の担当者らが官邸で面会した際、柳瀬氏は「獣医師会の反対が強い」とのべ、反対を乗り越えるために内閣府の藤原豊地方創生推進室次長(当時)に相談するよう求めたとされています。

 さらに15年4月2日に柳瀬氏と官邸で面談した際の面談結果の「概要メモ」も新たに提出。ここでは柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と語ったと記されていました。

 県の記録は柳瀬元秘書官の参考人質疑(10日)をうけ、参院予算委員長が国政調査権に基づき県に要請していたもの。信憑(しんぴょう)性がきわめて高い公的記録です。

写真

(写真)愛媛県が公表した加計学園めぐる新たな文書


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