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2018年5月6日(日)

世界卓球 27年ぶり南北合同チーム

両国選手「雰囲気よかった」

 スウェーデンのハルムスタードで開催中の卓球世界選手権団体戦女子準決勝(4日)で、日本と対戦したのは北朝鮮と韓国の合同チームでした。決勝進出は逃しましたが、27年ぶりに結成された合同チームの健闘を韓国のメディアも大きく伝えています。

 北朝鮮のエースで、リオデジャネイロ五輪の銅メダリスト、キム・ソンイはインタビューで、「お互い雰囲気はよかった。良い結果が出せなかったのは残念。合同チームの役に立ちたかった」と悔しさをにじませました。1番手を務めた韓国の田志希は「私が決めることではないが、また合同チームでプレーしたい」と語りました。

 準々決勝に勝ち上がった両チームは3日に対戦が予定されていましたが、国際卓球連盟(ITTF)と話し合いを行い、試合を行わず、南北合同チームとして準決勝に臨むことを決定しました。

 4月27日に行われた南北首脳会談で合意した「板門店宣言」には今夏のアジア大会をはじめ国際競技に両国が共同で出場することが盛り込まれています。

 ITTFは「卓球はスポーツを通じた平和を推進する完璧な手段」と見解を発表。両国も「ITTFと国際オリンピック委員会の力強い支援の結果だ」(北朝鮮卓球協会のチュ・ジョンチョル会長)、「大きな歴史的な決定であり、卓球を通して平和を導くというITTFの方針に合致する。合同チームが平和のメッセージを世界に伝えることが重要だ」(韓国協会の柳承敏副会長)と表明しました。

 両国は1991年に千葉で行われた世界選手権団体女子で、当時、ITTFの会長だった荻村伊智朗氏の尽力により、初めて合同チームを結成。優勝を果たしました。日本卓球協会の星野一朗専務理事は「卓球がこれまで果たしてきた国際平和への関わりを考え、(合同チームの結成を)歓迎したい」と語りました。(ソウルで栗原千鶴)


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