しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

2018年4月27日(金)

主張

5・3憲法集会へ

改憲阻止・内閣退陣の跳躍台に

 来月3日の憲法記念日に、「9条改憲NO!平和といのちと人権を!」を掲げ「5・3憲法集会」が東京・有明防災公園で開かれます。全国各地でも、この日を中心に多彩な催しが行われます。

異常事態の根源には首相

 「森友」「加計」疑惑、自衛隊の日報隠ぺいと文民統制の破壊、財務省のセクハラ問題、裁量労働制をめぐるデータねつ造、学校教育への不当な圧力や介入―。日本の政治が異常事態になっています。

 どの問題も、憲法と民主主義を踏みにじる安倍晋三政権のおごりや強権政治が根源にあります。安倍政権に憲法など語る資格はありません。メディアの世論調査では、内閣支持率は急落、安倍首相のもとでの改憲には61%の人が反対(共同通信)しています。

 しかし、安倍首相は、疑惑の徹底解明とまともな政治を求める国民の願いには背を向け、3月25日の自民党大会でも、今月20日の自民党地方議員研修会でも、自衛隊の存在を明記する9条改憲に異様な執念を燃やしています。

 このもとで開かれる今年の憲法集会は、安倍政権による9条改憲を阻止し、即刻退陣を求める世論と運動の飛躍の場にするため、極めて重要な意義を持っています。

 安倍首相は、「違憲論争に終止符を打つ」と述べています。しかし、いま問われているのは、自衛隊の合憲か違憲かではありません。海外で無制限に武力行使をする自衛隊にしていいのかどうかです。

 自民党大会で示された9条改憲の方向は、9条1項、2項は残すとしつつ、新しく9条の2に「必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織」として「自衛隊」の保持を明記するとしています。「自衛」の範囲には限定がなく、集団的自衛権の行使が含まれます。しかも、「自衛の措置をとることを妨げず」との例外規定を設けることで、「戦争をしない」「戦力を持たない」と決めた9条1項、2項を文字通り空文化させる重大な内容になっています。

 自衛隊をめぐっては、南スーダンPKОやイラク派兵での日報隠ぺいが大問題になっています。イラク派兵での日報は、存在が確認されてから1年以上も防衛相にも国会にも報告されていませんでした。戦前・戦中の日本の軍部独走への痛苦の反省から設けられたシビリアンコントロール(文民統制)さえ機能していないことを示すものです。

 安保法制=戦争法が強行成立させられたもとで、軍事費は史上最高規模に膨張し、相手国に届くミサイルや攻撃型の空母の保有にまで踏み込もうとしています。

 このような自衛隊を憲法上の存在にすることは、軍事組織の権限強化と独走に拍車をかけることになります。

市民と野党の共闘の力で

 憲法と国民をないがしろにする政治を変える力は、政治的立場や思想信条の違いをこえた市民と野党の共闘です。いま、この力を生かして、全国津々浦々で「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)が広がっています。署名運動をさらに飛躍させることが急がれます。

 内閣総辞職を迫るとともに、安倍首相と自民党が狙う改憲の動きを阻止し憲法が生きる政治に切りかえるために「5・3憲法集会」を大成功させましょう。


pageup