しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年4月21日(土)

きょうの潮流

 図書館や書店に入ると「シンプル家事」「ラクする家事」といった題名の本に、つい目がいきます。快適に暮らすための家事。がんばりすぎてイライラしては本末転倒です▼家事といえば炊事、洗濯、掃除ですが、他にも細かい作業が無数にあります。残った食品を冷蔵庫にしまう、使い切ったティッシュを補充する…。ささいなことも、積み重なると負担は大きい▼住宅メーカーの調査で、こうした作業を「名もなき家事」と名付けたところ、多くの女性の共感をよびました。ある女性は「自分だけが常に動いているようでモヤモヤしていたけれど、負担感の原因がみえて納得した」と言います。男性からは「そんな家事があることも知らなかった」という声も▼調査結果は、共働き夫婦の男性が「家事に割と協力している」と思っていても、女性は「夫はあまり協力してくれない」と感じている、その意識のずれの原因が、この「名もなき家事」にあると指摘しています▼ナチュラルライフ研究家の佐光(さこう)紀子さんは近著『「家事のしすぎ」が日本を滅ぼす』で、日本の女性が「きちんと」家事をこなせたのは、家父長制のもと、嫁が奴隷のように働かされていたから。その前提となってきたのは、女性の家庭内の無償労働だと述べています▼国の成長戦略に「女性活躍」を掲げる安倍内閣。しかし今のままでは女性はますます負担を強いられるでしょう。家事分担は家庭内だけの問題ではない。政府、企業、社会的な風潮などの見直しが不可欠です。


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