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2018年3月28日(水)

原爆症 全員勝訴

東京高裁原告6氏 国の主張退ける

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(写真)ノーモア・ヒバクシャ東京第1次訴訟の東京高裁判決で全員勝訴の旗を掲げる被爆2世ら=27日、東京高裁前

 国に原爆症認定を求める「ノーモア・ヒバクシャ訴訟」の東京訴訟(第1次)で東京高裁(後藤博裁判長)は27日、原告6人全員の勝利判決を出しました。

 一審で原告17人全員が勝訴しましたが、国は2013年に改定した認定基準から外れている6人について「原告の生活習慣からくる病気」として認定を拒み、控訴しました。後藤裁判長は判決理由を述べ、国の主張をことごとく退け、原告たちの訴えを総合的に考慮して脳梗塞やバセドー病などを原爆症と認めました。

 原告は、小杉正毅さん(84)、髙石洋一さん(87)、武永猛さん(83)、中島省吾さん(82)、坂本治子さん(76)、川上秀夫さん(故人)の6人。原告の坂本さんは「うれしい。支援をいただいた多くの人に感謝します。国が行った戦争による被害なのだから、国が責任をとって、裁判によらずに対処してほしい」と語りました。

 被爆者や弁護士ら70人が駆けつけ、「今日の桜のような満開の判決だ」と笑顔で喜びあいました。弁護団は「控訴審で専門の医師を5人も証人に立てて勝負に出た国を負かした。画期的な判決だ」と強調しました。

 判決を受けて、日本原水爆被害者団体協議会など5団体は声明を出し、国に上告の断念と「原爆症認定制度の抜本的な改善」を求めています。


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