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2018年1月23日(火)

きょうの潮流

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 若くして日本人初の物理学教授となった山川健次郎の人生は波乱に満ちました。幕末に賊軍とされた会津籠城戦を生きのびて米国に留学。懸命に学問に励み、のちに東京帝国大の総長まで上りつめました▼近代日本の幕開け。文明とともに開化したのは、個人の能力や才能でした。それをふたたび閉ざしたのが、国家や軍部による個への弾圧であり、戦争でした。歴史を顧みるとき、ゆるがせにはできない戒めです▼戦後73年、雪のなかでの国会開会。安倍首相は施政方針で先の山川をはじめ、明治の時代を盛んにもちあげました。先人たちにならい、あらゆる人にチャンスあふれる日本をつくっていこうと▼いま、個人の尊厳をかかげた市民運動が野党とも共闘してひろがっています。秘密法、戦争法、共謀罪。そして、9条改憲の発議まで。痛苦の体験から生まれた憲法によって保障されてきた個人の自由や権利が奪われていく危機感の高まりのなかで▼明治回帰の力強い国づくり―。そこには、国が個の命さえ奪っていった道への反省は皆無です。首相はこの5年、76カ国・地域を訪ねて世界の平和や繁栄に貢献してきたと誇りながら、人類史上初の核兵器禁止条約には一言もふれませんでした▼働き方や生産性、人づくり。いくら改革や革命を付けて誇張しても、結局はお国のため、財界のため。人間らしい生活の実現や、国民の幸せを追求する発想からでてきたものではありません。個人の尊厳をないがしろにして、何が新しい国づくりか。


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